本研究の成果は、第一にコモン・ロー研究として、「インド契約法」に関する研究状況を把握するため、ケンブリッジ大学法学部(ガートン・コレッジ)ステリオス・トファリス博士を招聘し、「インド契約法」成立の歴史的経緯と、インド伝統的要素はむしろ契約法典成立後に裁判例を通じて明らかにした。第二に、サンスクリット学におけるダルマ研究として、分担者を中心に来日した世界的権威、オリヴェッレ教授とメンスキー教授と意見交換を行い、ダルマ概念はギリシア(プラトン)の「ノモイ(法律)」概念と近似することを提示した。第三に、3年の研究期間内に関心をもつ、若手研究者及び大学院生を数名発掘、研究の示唆を与えることができた。
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