研究課題/領域番号 |
24653012
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
濱本 正太郎 京都大学, 法学(政治学)研究科(研究院), 教授 (50324900)
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キーワード | スポーツ法 / ドーピング / 国際秩序 / 私的アクター / グローバル法 |
研究概要 |
前年度に引き続き、先行研究の収集に努めた。今年度は、本研究とは重複しない別のスポーツ法研究プロジェクトにおいて日本スポーツ仲裁機構(JSAA)と協力することが頻繁にあり、JSAAの助力も得て効率的な資料収集を行うことができた。 また、今年度は、世界アンチ・ドーピング機構によるアンチ・ドーピング規則の5年ぶりの改正がなされた。その内容分析と実際の適用から生じる変化、及び、改正プロセスにおける各関係者の役割については今後の分析に委ねることになるが、アンチ・ドーピング規則の改正プロセスを観察するとともに、わずかにではありながらも改正プロセスに関与することにより、アンチ・ドーピング規則の形成について理解を深めることができた。 さらに、本年度も、スポーツ仲裁裁判所(CAS)におけるドーピング関連事件の仲裁判断例研究を継続した。とりわけ、スポーツ法の世界におけるある種の世界秩序を形成する際の一つの手がかりとなっているスイス法及びスイス連邦裁判所の役割が仲裁判断例の中でどのようなものになっているかについて、具体的事例を元に研究を深めることができたことは有益であった。 加えて、上記JSAA関連プロジェクトでベルギーやスイスのスポーツ法機関あるいは弁護士と関係を作ることができ、ベルギーやスイスにおけるスポーツ法の研究・実務状況について最新の知見を得ることができた。その中におけるドーピング問題の位置づけについても有益な情報を得ることができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
先行研究の収集は順調に進みつつある。また、海外におけるスポーツ法研究者・実務家とのネットワークも形成しつつある。
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今後の研究の推進方策 |
これまでのところ順調に進んでおり、当初計画からの変更の必要性は認めていない。最終年度であり、研究とりまとめの作業に当たるとともに、国内的・国際的に発表の場を得て、批判を仰ぐ機会を作りたい。
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次年度の研究費の使用計画 |
海外から専門の研究者を招聘予定であったところ、健康上の理由になり直前に来日が不可能になったため。 意見交換・資料収集のための海外出張を必要に応じて行うこととする。
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