研究課題/領域番号 |
24653014
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研究機関 | 釧路工業高等専門学校 |
研究代表者 |
大石 玄 釧路工業高等専門学校, 一般教育科, 准教授 (00611758)
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キーワード | スペイン / 労使関係 / 労働者代表 / 従業員代表 / 労働協約 / 団体交渉 |
研究概要 |
本研究は,独自の労使関係法制を持つスペインを比較対象として,労使関係のフレームワークをめぐる交渉の実態を解明しようと目するものである。 研究計画の2年目にあたる平成25(2013)年度においては,初年度において入手した文献資料の分析を進めた。また,2014年3月下旬にはスペインへ渡航し,バレンシア大学法学部において聞き取り調査を行い,新たな資料の収集に努めた。 ここまでの研究により,スペインの労働者代表制度は法律による枠組みとしてみれば中立的に設計されているものの,実態としては2大ナショナルセンター(労働組合)の意向が強く働いていることが見て取れる。労働協約を締結して労働者の労働条件を維持改善していくに際し,交渉担当者がどのように選ばれているのか,選出過程をめぐる問題を中心に最終年度の研究を進めていく方針である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究を立案した後の2012年2月に労働法制の大規模な改革が行われたため制度変更の影響を調査する必要があり,本計画初年度においては当初予定した手順での研究を進めることができなかった。計画2年目においても初動に生じた遅れがそのまま引き継がれたところである。 加えて,研究代表者の校務分掌が増加したことを受けて研究にかけられる時間が低下したことも,進捗度を向上させられなかった一因となっている。
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今後の研究の推進方策 |
前年度の報告書において示したように,研究計画を立案した時点では過去の裁判例を手がかりとして紛争事例の分析を行うことを主眼としていたが,労働法制の修正が行われたこともあり,制定法により構築されている労使関係のフレームワークの分析を中心的な課題として研究を推し進めている。 研究計画を進めるための手法については研究実施計画に記載のとおり変更はない。計画3年目においても入手した文献の解読と,新たな資料の収集に継続的に取り組むこととしている。
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