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2014 年度 実績報告書

オーストラリアにおける医師の民事責任に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 24653027
研究機関立命館大学

研究代表者

平野 哲郎  立命館大学, 法学部, 教授 (00351338)

研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2015-03-31
キーワード医師民事責任 / オーストラリア法 / 医療訴訟
研究実績の概要

最終年度である2014(平成26)年度は,①前年度に引き続きオーストラリアと韓国への出張調査を実施し,②研究成果を日本医事法学会のワークショップで報告し,③英語論文を執筆した(掲載は2015年度)。
まず,オーストラリアではシドニー及びメルボルンで,シドニー大学及びメルボルン大学の研究者及び裁判官,バリスターやソリシターなどの実務家と面談し,オーストラリアの医師民事責任の分野で,実体法的には伝統的な不法行為構成と並んで契約構成にも関心が向かいつつあるということと,訴訟法的には専門家の知見に活用についてコンカレント・エヴィデンスという新たな方式が広く採用されていることが判明した。さらに再生医療や研究倫理に関して,日本の状況について関心を向けられていることが分かり,情報発信の必要性を認識した。
韓国では,医療紛争調停仲裁院,法院(裁判所)の医療専担部,医療問題を考える弁護士の会にインタビューを行い,仲裁院の鑑定制度が裁判所の医療訴訟でも活用されていることと,鑑定の内容については評価が分かれていることが明らかになった。
医事法学会では,コンカレント・エヴィデンスを中心に報告し,日本の東京地裁におけるカンファレンス鑑定との比較をするなど,日本法への示唆を行い,参加者から多くの質問があった。
さらにオーストラリア等のコモンロー法域における機会喪失論と日本の相当程度の可能性を比較する論文を英語で執筆し,日本の状況を国際的に伝えることを試みた。
研究期間全体を通じて,オーストラリアの医師民事責任の特徴を日本及び韓国と比較しつつ,一定程度明らかにすることができた。今後は特に特徴的であり,イギリス等でも導入されているコンカレント・エヴィデンスなどの専門的知見を口頭で訴訟手続に反映する方式について調査を進めたい。

  • 研究成果

    (10件)

すべて 2015 2014

すべて 雑誌論文 (3件) (うちオープンアクセス 3件、 謝辞記載あり 2件) 学会発表 (6件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] 韓国医療紛争事情観察報告2015

    • 著者名/発表者名
      李庸吉,平野哲郎,渡辺千原
    • 雑誌名

      龍谷法学

      巻: 47-4 ページ: 225-248

    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] A Structure of Doctor's Civil Liabilities:In Search of a Uniformed Leagal Framework based on Contract which can best serve both Doctors and Patients2015

    • 著者名/発表者名
      HIRANO Tetsuro
    • 雑誌名

      Ritsumeikan Law Review

      巻: 32 ページ: 印刷中

    • オープンアクセス / 謝辞記載あり
  • [雑誌論文] がん患者に対する検査義務違反と死亡との間に因果関係が認められず,相当程度の可能性の侵害も認められない場合に,診療契約上の債務不履行による慰謝料を容認した事例(福岡地裁平成25年11月1日裁判所ウェブサイト)2014

    • 著者名/発表者名
      平野哲郎
    • 雑誌名

      立命館法学

      巻: 355 ページ: 374-390

    • オープンアクセス / 謝辞記載あり
  • [学会発表] 医師民事責任の構造2015

    • 著者名/発表者名
      平野哲郎
    • 学会等名
      東京弁護士会医療過誤法部
    • 発表場所
      東京弁護士会館(東京都千代田区)
    • 年月日
      2015-03-24 – 2015-03-24
  • [学会発表] 韓国の医療紛争処理・医療訴訟2015

    • 著者名/発表者名
      李庸吉,平野哲郎
    • 学会等名
      関西医事法研究会
    • 発表場所
      キャンパスプラザ京都(京都府京都市)
    • 年月日
      2015-03-21 – 2015-03-21
  • [学会発表] カンファレンス鑑定調査報告2015

    • 著者名/発表者名
      平野哲郎
    • 学会等名
      医事訴訟研究会
    • 発表場所
      立命館大学(京都府京都市)
    • 年月日
      2015-01-10 – 2015-01-10
  • [学会発表] 医事訴訟における専門家の関与のあり方2014

    • 著者名/発表者名
      平野哲郎,信濃孝一,児玉安司
    • 学会等名
      日本医事法学会第44回研究大会
    • 発表場所
      中央大学駿河台記念館(東京都千代田区)
    • 年月日
      2014-11-29 – 2014-11-29
  • [学会発表] 日本の尊厳死~判例・法案・ガイドライン等~2014

    • 著者名/発表者名
      平野哲郎
    • 学会等名
      日韓比較「医と法」学会第2回大会
    • 発表場所
      関西学院大学(兵庫県西宮市)
    • 年月日
      2014-08-23 – 2014-08-23
  • [学会発表] コンカレント・エヴィデンス調査報告2014

    • 著者名/発表者名
      平野哲郎
    • 学会等名
      医事訴訟研究会
    • 発表場所
      立命館大学(京都府京都市)
    • 年月日
      2014-08-21 – 2014-08-21
  • [図書] 実務医事法〔第2版〕2014

    • 著者名/発表者名
      加藤良夫,平野哲郎
    • 総ページ数
      788(347-391,456-478)
    • 出版者
      民事法研究会

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公開日: 2016-06-01  

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