研究課題/領域番号 |
24653035
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研究種目 |
挑戦的萌芽研究
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研究機関 | 学習院大学 |
研究代表者 |
福元 健太郎 学習院大学, 法学部, 教授 (50272414)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 談合 / 入札 / 統計分析 / 知事 / 汚職 |
研究概要 |
和歌山・福島両県の紙資料(入札(見積)執行調書等)を電子データ化する作業を進めてきた。案件別・企業別の入札価格をはじめとするデータ(予定価格、最低制限価格、落札者、落札金額、入札・契約方法、業種、調達区分、入札日など)は、入札(見積)執行調書(または入札等(契約)結果書、見積結果表、予定価格調書など)に記載されている。福島県は2005~2009年度の全ての工事・委託について、和歌山県は2004~2007年度の全ての工事・委託・物品・役務について、既に情報公開請求等を通じて、段ボール21箱分の紙資料があった。このうち20箱について、資料を1枚ずつ、研究補助者を用いて、オート・フィーダー付きのスキャナーで画像(tiff形式)として読み込む作業を終えた。これらの画像ファイルは、大容量のデータを保存できるテラステーションに保存した。 次に当初の研究実施計画では、これらを高機能のOCRソフト「帳票OCR」で文字認識する暫定版データのみを作成する予定であったが、実際に作業を始めてみた経験から、OCRソフトで文字認識してすぐに原資料と照らし合わせて確認して確定版データを作成した方がむしろ効率的であると考えるに至り、計画を変更した(申請時より、高機能OCRソフトといえども正確性は100%ではないので、誤認識を修正する作業をすること自体は織り込んでいたが、翌年度から始める予定であった)。これは和歌山県のごく一部についてのみ作業を終えた。 宮崎県は既に電子化されたデータを2005年度から2010年度まで入手したので、初年度より分析に着手した。その結果、上1桁目あるいは2桁目の数字の分布はベンフォードの法則から有意に乖離すること、有効桁数(入札額が落札額と何桁目まで異なるか)は落札率と負の相関にあること、がわかり、談合を行っていた可能性が示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
紙資料をスキャナーで画像として読み込む作業はほぼ予定通り終えることができたのだが、それをOCRソフトで文字認識する作業は、予定を変更して誤認識を修正する作業も同時に行うことにしたため、遅れてしまった。研究補助者が都合により当初予定していたほど勤務できなくなってしまったという事情もある。
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今後の研究の推進方策 |
最後に残った1箱分の紙資料をスキャナーで画像として読み込み、この作業を完了させる。こうして作成した画像ファイルを、OCRソフトで文字認識し、誤認識を修正することが、今後の主な作業になる。 福島・和歌山・宮崎の3県のデータに、3つの談合検出指標を当てはめる。この3県では2006年に知事が談合疑惑で辞職した。従ってこれら3県ではそれまで談合が多かったことが強く疑われる一方、それ以後しばらくは談合が少なかった可能性が高い。談合検出指標を適用した結果、2006年までは談合が検出されるが、2007年以降は談合を検出しなければ、談合検出指標が談合の有無を峻別できることが確かめられる。 上記以外の20府県データに、3つの談合検出指標を使う。案件毎の様々な属性によってデータを分割して談合検出指標を適用し、どのような条件下で談合が誘発されやすいのかを明らかにしたい。
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次年度の研究費の使用計画 |
次年度に使用する予定の研究費が生じたのは、事情により当初予定していたほど学会に行けなくなってしまったこと、研究補助者が都合により当初予定していたほど勤務できなくなってしまったこと、書籍をそれほど買わなくてもよくなったこと、が理由である。次年度は、新たに研究補助者を採用したので、前年度の遅れを取り戻せるぐらいの作業を進める予定である。
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