和歌山・福島両県の紙資料(入札(見積)執行調書等)を電子データ化した。案件別・企業別の入札価格をはじめとするデータ(予定価格、最低制限価格、落札者、落札金額、入札・契約方法、業種、調達区分、入札日など)は、入札(見積)執行調書(または入札等(契約)結果書、見積結果表、予定価格調書など)に記載されている。福島県は2005~2009年度の全ての工事・委託について、和歌山県は2004~2007年度の全ての工事・委託・物品・役務について、既に情報公開請求等を通じて、段ボール21箱分あった。まず、研究補助者を用いて、これらの資料を1枚ずつ、オート・フィーダー付きのスキャナーで画像(tiff形式)として読み込み、大容量のデータを保存できるテラ・ステーションに保存した。次いで、文字認識ソフト(帳票OCR ver.6)で、画像ファイルから入札価格等のデータを抽出し、(高機能OCRソフトといえども正確性は100%ではないので)1つ1つ原資料と照らし合わせて確認・補正し、電子化データを作成した。 宮崎県・千葉市・福島県の電子化データをデータ洗浄し、区々な様式を統一したデータベースに登録した。各年度について、落札率及び本研究が提唱する2つの談合検出指標(有効桁数、ベンフォード指標)の平均値を算出した。すると各首長が談合疑惑で辞職した2006年度あるいは2009年度以降、予想通り落札率は下がり、有効桁数は上がった。ベンフォード指標はあまり明瞭な傾向を見いだせなかった。従って、有効桁数は見込みのある談合検出指標だと言える。
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