研究課題/領域番号 |
24653038
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
東野 篤子 筑波大学, 人文社会系, 准教授 (60405488)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | ヨーロッパ / 国際政治 / 規範 |
研究実績の概要 |
平成26年度に関しては、欧州安保協力機構と欧州審議会を中心に発達してきた規範意識が、主に欧州連合(EU)の対外政策遂行における規範意識とどのように重複してきたかを中心に考察した。また、折しもウクライナ危機の勃発により、本研究が対象としてきた欧州安保協力機構が、停戦のファシリテーターおよび停戦実施状況のオブザーバーとしての役割を期待されることになり、注目が集まったことを受け、欧州安保協力機構およびEUがどのような役割分担と、どのような規範意識の中、ウクライナ危機に対処しようとしているのか、その成果と問題点は何か等の諸点についても考察し、学会報告および論文を執筆することができた。 さらに、当初から本研究における理論的枠組みとして扱ってきたコンストラクティヴィズムに関して、それがヨーロッパの諸機構の規範性と認識の形成をどのように説明出来るのかを考察する論文(編著に掲載)を1本執筆した。 これに加え、「規範パワーとしてのヨーロッパ(Normative Power Europe: NPE)」概念を手掛かりとしながら、ヨーロッパおよびヨーロッパの諸機構が、規範をどのように意識的・無意識的に用いながら、対外政策を策定・実施しているのかに関する論文(編著に掲載)を1本執筆した。 8月に2週間程度、ロンドンのロンドン・スクール・オブ・エコノミスト図書館において、関連する二次文献の収集を集中的に行った。 成果は合計で、学術論文1本、学会報告1本、編著への掲載論文2本、コラム等4本となった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成26年度においては、当該研究の暫定的な成果を執筆・発表する機会に恵まれたため、当初の研究計画の一部を変更し(具体的には、資料収集期間の短縮化と、収集対象資料の絞り込み)、その代わりに論文の執筆に時間を費やすこととした。このため、研究計画を一部前倒しして実施した一方、ウクライナ危機への対応にも追われたため、当初の研究計画よりも広範な範囲の研究を扱うことにもなった。
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今後の研究の推進方策 |
平成26年度中の成果として公表したものに一層の肉付けをし、また、平成26年度にやり残した資料収集を完成させる。さらに、研究計画提出当初は想定されていなかったウクライナ危機への分析も不可欠になってきたため、当初の研究計画にその分析を融合しつつ、研究を進める。
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次年度使用額が生じた理由 |
平成26年度中に、いったんこれまでの研究成果を総括し、論文(共著の分担執筆)として発表する機会に恵まれたため、研究計画を一部変更して実施した。このため、資料収集などの期間が短縮されるなどの影響があり、未使用額が生じた。
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次年度使用額の使用計画 |
平成26年度中に完成させられなかった資料収集を完成することを中心に、予算執行を行っていく。
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備考 |
http://www.turkishweekly.net/news/175336/turkey-japan-relations-images-and-reality.html および http://synodos.jp/international/9715
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