本研究では、冷戦後における欧州安全保障協力機構および欧州審議会の再編成と、欧州審議会の拡大プロセスに関し、理論的・実証的検討を実施した。理論的にはコンストラクティヴィズムおよび言説分析の枠組みを用い、冷戦後のヨーロッパ秩序の再編成に関わる規範・認識・言説がどのようなものであったのかを、EUやNATOで用いられたロジックも参照しつつ、論文にまとめた。実証的には、トルコおよび旧ユーゴ諸国の冷戦後ヨーロッパ秩序への統合の問題や、ウクライナ危機等の現在進行形の諸問題にも言及しつつ、ヨーロッパの複数の機構が重層的に関与しながらヨーロッパの秩序再編成に取り組んだ(取り組もうとした)過程について考察した。
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