研究課題/領域番号 |
24653044
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研究種目 |
挑戦的萌芽研究
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研究機関 | 関西外国語大学 |
研究代表者 |
畠山 京子 関西外国語大学, 外国語学部, 講師 (90614016)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 国内規範 / 安全保障政策 / 武器輸出三原則 / 経済政策 / 日本 / 合理的計算 |
研究概要 |
本研究の目的は武器輸出三原則の表明と緩和の事例を比較することにより、国内規範が政策決定に与える影響を考察し、また経済政策とどのような関連があったのか探ることである。2012年度の研究では、同事例に関する資料の収集および先行論文の研究を進めた。その傍ら、日本の国際平和協力政策を事例として、定着した国際規範がどのように政策決定に影響を与えたのか考察した論文を発表した(「日本の国際平和協力とロールプレイ―東チモールを事例として―」『国際安全保障』第40巻第2号、2012年9月)。チェケルの理論的枠組みを援用した同論文により、日本政府はロールプレイの段階であり政策決定には規範と合理的計算が影響を与えることが明らかになった。さらに、日本の国際平和協力を事例に、規範と戦略的計算の影響を考察した論文'Japan's Peacekeeping Policy: Strategic Calculation or Internalization of International Norm?', Pacific Review, forthcoming、では、規範が政策決定に与える影響は限定的であり、相反すると考えられている合理的計算が併存することが明らかになった。また、獲得利益よりも損失が政策決定に与える影響が大きいことがわかった。 上記論文は国際平和協力政策を事例としているが、本研究の目的の一つである「国内規範が政策決定に与える影響」という点で結果を援用可能である。今後この研究結果をもとに事例研究を進め、さらに経済政策との関連性を掘り下げたい。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2012年度は、武器輸出三原則に関する資料の収集を主に行った。1967年、76年の三原則に関しては、外交史料館、国立国会図書館所蔵資料の収集を行った。また米国の反応あるいは米国からの圧力有無を探るため米国の国立公文書館(NARA)において資料収集も行った。近年の緩和の動きに関しては、経団連図書館で資料収集、また経団連関係者とのインタビューを行い動向を探った。近年、武器輸出三原則の緩和に関しては、学会の関心も高く、シンポジウム、学会での発表も多くなされているため、関連する研究会、学会に出席し情報収集を行った。また、資料収集と同時に理論的枠組み構築のため、構成主義を中心に先行研究の研究を行っている。 このような事例研究の進捗に加え、上記実績欄でも述べたとおり、国際平和協力政策を事例とした出版論文では、規範が政策決定に与える影響は限定的であることが明らかになった。この考察は本研究にも援用可能であり、第一ステップを完了したと捉えることができる。
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今後の研究の推進方策 |
今年度は、収集した一次資料を基に事実の整理、考察を進め、事例研究をほぼ終了させたい。事例研究にほぼ目途がついた時点でさらなるインタビューを行い、事例研究を完成させることを目的とする。 同時に、先行研究の分析に目途をつけ、大雑把でもいいので理論的枠組みを構築することを目的とする。規範と経済政策・経済成長をどのような枠組みで関連付けるのか、現在模索中であるが新たな視座で関連性を明らかにしたい。その上で、論理的な矛盾、事実関係誤認に関する修正を行っていく。
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次年度の研究費の使用計画 |
今年度は引き続き資料収集と理論的枠組みの構築に取り組みたい。年度末には、暫定的ではあるが理論的枠組みを完成させ、研究会などで発表する予定である。また、インタビューも合わせて行っていきたい。 引き続き東京への出張旅費、書籍購入費および学会出張旅費(海外も含む)に使用予定である。
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