本研究の目的は、日本の武器輸出三原則の表明(1967年、1976年)、堅持、緩和(2011年)を事例として、日本の安全保障政策決定過程における国内規範の規制・構成作用の有無を検証することであった。研究の結果、政府の表明や長期にわたる同政策の堅持は反軍国主義的規範の作用ではなく、政策決定者が合理的選択を行った結果であることが明らかになった。緩和の決定も同様であった。日本の安全保障政策に影響を与えていたのは反軍国主義的規範ではなかった。また規範起業家(社会党など)のパワーが政府の決定及び規範の作用に影響を与えていたことがわかった。
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