本研究は、状態空間モデルを用いて家計の選好を表す潜在的変数を推定し、その歴史的変動の検討や地域比較分析を試みることを企図としている。このような分析は地域による公債負担に関する期待形成の違いを明らかにすることである。とりわけ、状態空間モデルの適用により、家計行動のディープ・パラメタの時系列変動を捉えることが可能であり、地域の経済環境の変化や政府の経済政策が家計の期待形成や選好のあり方に及ぼす影響を経時的に理解することができる。ディープ・パラメタの計測結果も概ね良好であり、いくつかの論文において成果を報告することができた。
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