研究課題/領域番号 |
24653058
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
山田 克宣 大阪大学, 社会経済研究所, 講師 (80533603)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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キーワード | 社会効用 / 仮想離散選択実験 / fMRI |
研究概要 |
24年度については、以下の(1)~(3)のステージを完了した。 (1) 申請者が開発した社会効用の離散選択問題の心理実験課題を、神経科学実験用に改変した。(2) 改変した選択実験パラダイムを用いて、郵送調査で行動実験を行い被験者をスクリーニングした。(3) 実験課題をfMRIに実装し、神経科学実験を行い、脳活動データの収集を行った。 (1) 行動実験用に開発された離散選択実験課題を、神経科学実験用に改変した。神経科学実験ではサンプルサイズが限られることから、1人の被験者に対して細やかな対応を行い、可能な限り実験のリアリティーを高めたデータ収集を行うことが求められた。今回の研究では、仮想的な状況を提示する刺激に、被験者本人とランダムに選ばれた他者(比較相手)の顔写真を組み込んだ。(2) 当初の予定から変更し、大規模な郵送調査を行って被験者のスクリーニングを行った。これは、社会効用の発現が極端な被験者を神経科学実験にかけたいという動機に基づいている。つまり、妬みの効果が強い被験者、利他主義の効果が強い被験者をリクルートし、脳活動データに顕著なグループ間差が見られるか確認することを目的とした。(3) 完成した課題をMRIに実装し、神経科学実験を行った。fMRI実験は、自然科学研究機構・生理学研究所で行った。研究協力者の定藤規弘教授(生理学研究所)と共同で実験を行い、生理学研究所チームからは被験者のリクルーティングやMRIマシン使用の技術的サポート、実験人員の供与を受けた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
予定されていたfMRI実験は滞りなく全て完了した。被験者数も、合計30名近くとなり、解析に十分な数を確保することが出来た。また、関連した研究をSociety for Neuroscience 2012(米国ニューオリンズ)で報告し、ネットワークを広めることもできた。
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今後の研究の推進方策 |
25年度で研究を仕上げ、論文化する。24年度の成果をうけ、(4) 被験者の選択データから推定される効用関数パラメーターと、実験中の脳活動の関連を分析する。分析結果を論文化し、Society for Neuroscience 2013に投稿し、秋に報告する。その後、国際雑誌への掲載を目指す。 (4) 24年度の計画、(1)~(3)で得られたデータの解析と論文化を行う。被験者の選択データから推計される効用関数パラメーターと、実験中の脳活動の関連を分析する。
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次年度の研究費の使用計画 |
該当なし
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