本研究課題の実験テーマは、比較対象相手の性別が社会効用効果にどの様に影響を与えるのか、その神経基盤を解明するということであった。自分と比較相手の仮想的な所得状況が表示され、自分にとって好ましい状況を選択する離散選択実験をMRIスキャナーの中で行い、選択中の被験者の脳活動を記録した。背外側前頭前野(DLPFC)と島皮質における脳活動を、比較相手が同性のケースと異性のケースで比較したところ、DLPFCについてはより妬み強い人が男女かかわらず活動を活性化させることがわかった。一方、島皮質については女性が男性と比較する時のみ活性化することが判明した。
|