研究課題
家禽類の伝染病、家畜のBSEなどに対する禁輸措置、残留農薬・医薬品の含有量規制などTBT(Technical Barriers to Trade)と呼ばれる技術的貿易障壁の世界貿易や各国の国内経済への影響は大きい一方で、食品安全規制は消費者の職の安全のため不可欠であるため、便益と費用の両面からシステマティックに定量分析を行う経済学的アプローチが必要である。本研究ではTBTの生産者・消費者の損益を定量化する手法を改善し、政策評価を行った。予定されていた研究のほとんどが平成26年度までに実施されたが、消費者データによる規制の価値評価の分析がデータと分析法の再検討により平成27年度に持ち越されていた。平成27年度には分析が完了し、その成果を反映した学会発表1の論文が完成し、平成27年9月にカリフォルニア大学バークリー校で行われた研究会において発表を行った。本論文の新規性は、食品安全規制の2国間貿易への影響は輸出国生産者側に着目する研究が圧倒的に多いが、本研究では輸入国消費者側から見た影響の分析を行っていることである。その際に用いられた計量経済分析手法も、従来のグラビティモデル分析ではなく、ミクロ計量経済手法を駆使していることが特徴的である。これにより、輸入国同士の傾向の違いや消費者間の選好の違いも反映することができ、より現実的かつ柔軟な分析結果が得られる。また、食品安全と規制の研究に関するサーベイを行った論文が図書1の章の1つとして掲載された。
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