家禽類・家畜の伝染病などに対する禁輸措置、農薬等の残留量規制などの食品安全規制は世界貿易や各国経済への影響は大きい一方、消費者の食の安全のため不可欠である。本研究は食品安全規制に対して便益と費用の両面から定量分析し政策評価を行った。本研究では食品安全規制の食品貿易への影響の分析、消費者データによる支払意思額の分析や特定の輸入国に対して原産地分化型需要システム分析を行った。これらにより、食品安全基準の厳格化は貿易の減少を引き起こすこと、また、消費者はより高い輸入食品の安全性に価値を見出すため、輸入食品に対する安全基準の厳格化(緩和)により輸入需要が促進(抑制)されること、などが示された。
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