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2013 年度 実施状況報告書

行動経済学による世界的大不況の原因解明と政策提示

研究課題

研究課題/領域番号 24653065
研究機関三重大学

研究代表者

内田 秀昭  三重大学, 教育学部, 准教授 (20452724)

キーワード経済政策 / 行動経済学 / マクロ経済
研究概要

世界恐慌時のアメリカの経済状況を調査するために、林敏彦著『大恐慌のアメリカ』、ジョン・K・ガルブレイス著『大暴落1929』、ミルトン・フリードマン+アンナ・シュウォーツ著『大収縮1929-1933』、ベン・S・バーナンキ『大恐慌論』等の文献、およびその当時の日本の経済状況を知るために、高橋亀吉+森垣淑著『昭和金融恐慌史』、岩田規久男編著『昭和恐慌の研究』等の文献を精読することで問題点の本質を知ることができた。特に、ジョン・K・ガルブレイス著『大暴落1929』では、1929年以前と以後で相場を予想したてきた学者や銀行などの金融機関、金融機関を規制すべき政府やFRB等に対する信用が逆転したこと、ミルトン・フリードマン+アンナ・シュウォーツ著『大収縮1929-1933』では、当時の金融政策が有効に採られなかったために最初に起こった不況を悪化させ、また長引かせてしまったという知見が得られた。また、前年度に行ったアメリカでの調査をまとめることで、2008年に発生した世界同時不況も世界恐慌の時と同じく不況の前に住宅価格や株価など資産価格の高騰が先立って起こっていたという共通点を持つ一方で、サブプライム層に対するローンやそのローンの債券化など世界恐慌時とは異なる金融手法が取られていたことが確認できた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本研究分野の基礎となる行動経済学の先行研究だけでなく、世界恐慌や昭和恐慌の歴史についての文献を読み進めており、それに基づいて新たなアイデアを導入したモデルの構築を考えている最中である。今度の分析に進むうえでデータの入手などに関しては若干急ぐ必要はあるように感じているもののおおむね順調に進展している。

今後の研究の推進方策

不況の長期化を説明するための貨幣の役割について集中的に考察する必要があると感じている。不況時には貨幣を使わずに保有して貯めておこうとするインセンティブが働くために消費が落ち込み、不況が長期化するというという指摘が小野善康氏からなされており、不況の原因解明のためにはそういった視点からも問題をとらえなければならないため、モデル構築の際には参考にする予定である。モデル構築の結果を学会およびワークショップ等で発表する予定である。

次年度の研究費の使用計画

平成25年度は所属する学部から特別に研究経費の援助があり、例年のおよそ倍の額が支給され、それを研究の支出に充てたために次年度使用額が生じた。
本年度は研究の成果を得るために、データを購入する必要があり、また成果を発表するために昨年度よりも多額の旅費が必要になるため、これらの用途のために使用する予定である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2013

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] 二重経済モデルにおける貿易自由化と経済成長2013

    • 著者名/発表者名
      内田秀昭
    • 雑誌名

      九州経済学会年報

      巻: 51 ページ: 11-17

    • 査読あり
  • [学会発表] 二重経済モデルにおける二国間貿易と経済成長2013

    • 著者名/発表者名
      内田秀昭
    • 学会等名
      九州経済学会
    • 発表場所
      大分大学
    • 年月日
      20131207-20131207

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公開日: 2015-05-28  

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