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2012 年度 実施状況報告書

19世紀英米児童文学および現代日本の児童文学からの職業および労働観形成の研究

研究課題

研究課題/領域番号 24653066
研究種目

挑戦的萌芽研究

研究機関長崎大学

研究代表者

福澤 勝彦  長崎大学, 経済学部, 教授 (00208935)

研究分担者 藤田 渉  長崎大学, 経済学部, 教授 (30264196)
研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2015-03-31
キーワード英国
研究概要

研究は3つの方向から実施した。一つは物語がどのように職業観等に影響を与えるかについての既存研究に対する文献研究であり、これは経済学、経営学、また文学、教育学等からの様々な研究についての調査、研究を実施した。特に、親の職業の影響、また19世紀当時の職業のありかたや女性の職業問題などについて当時の社会情勢などについて研究をおこなった。
同時に物語り研究の専門家から、文献の取り扱いなどの指導を受けると共に、資料について教授を受け、われわれの不足する専門的な知識を補っており、今後もそのような研究上の助言も求めていく。さらに、19世紀の英国で出版された子どもにとっての職業読本によって、当時の社会が共有する職業について文献から整理するなどの作業を行うことで基礎的な知識について基盤形成の作業を行った。
それに加えて英国の産業博物館および図書館での予備的調査を平行することで、当時の子どもにとっての職業観についての基本的なあり方を検討した。これらの調査はわが国においての受用過程を明らかにするための基礎的データとして今後用いられるものである。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

平成24年度は英国の基19世紀における子どもにとっての職業に関する文献を専門家等の助言を得るなどして調査することによって、本研究にとって極めて基本的なものとなると思われる文献を入手することができており、その点で重要な進展があったものと判断している。また、親の職業から子どもの職業観に関わる既存研究などからも、職業観形成の理論的研究において多くの仮説をうることができていおり、それらの点からも研究の初年度の進行としては期待される水準にある。また、英国における調査によって、新たな視点をうることやさらなる文献等の所在について示唆を受けることができており、次年度につながるものとなっている。
他方、わが国における英国児童文学についての調査は必ずしも十分に調査を実施できておらず、また文献収集、調査においても不十分なものとなっていおり、それ次年度の重要な課題となるものと考えている。ただし、国内の調査であり、平成24年度における実績を踏まえてるものであり、ある程度集中的な取り組みで挽回できるものと考えている。

今後の研究の推進方策

平成25年度について、24年度に実施した調査を踏まえて、再度英国での調査を実施する予定である。24年度に実施した産業博物館等での調査は時間的制約も多く、代表的な施設に限定せざる得ない状況にあったと共に、まだ文献調査も不十分な段階であり、さらなる調査の必要性を感じている。また、実際にどのような階層が児童文学の受容者であったのかという読書層の問題につて、新たな視点が課題となっており、その点についても十分な検討を必要としておりその面の研究を追加的に行いたい。この点は識字率の問題と関連しており、児童文学がどのような階層に受け入れられてきたのかは重要なものとなる。これはわが国においても同様であり、既存研究からその点を明らかにしておく必要があるものと判断している。
その上で今後の研究の中心は、文献調査と物語からの意識形成の過程についての理論の構築であり、物語が与える影響に関する経営学等における既存研究の成果を援用して、職業形成について他分野の成果も利用しながら作業を進めていく予定である。またキャリア教育の研究の蓄積についてまだ十分な調査・研究を実施しておらず、本年度の重要なテーマとして考えている。

次年度の研究費の使用計画

該当なし

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公開日: 2014-07-24  

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