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2014 年度 実績報告書

幼稚産業保護論の再評価:リアルオプション・アプローチによる理論・実証モデルの構築

研究課題

研究課題/領域番号 24653070
研究機関関西大学

研究代表者

小井川 広志  関西大学, 商学部, 教授 (50247615)

研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2015-03-31
キーワードリアル・オプション / 幼稚産業保護 / マレーシア / パーム油産業 / キャッチアップ / 資源利用型
研究実績の概要

本研究の基本的着眼点は、途上国工業化のプロセスを試行錯誤的な政策運営の連続と捉え、これをリアルオプションのフレームワークを用いて体系化し、幼稚産業保護貿易論の再評価を試みるものである。ケーススタディとしてマレーシア工業化のプロセスを取り上げ、リアルオプション手法を援用した量的、質的評価の枠組みを提示するものである。
これまでの研究では、主に電気電子産業に焦点を当てて産業研究を行ってきたが、平成25年度から新たにパーム油産業をケーススタディとして取り上げ、その工業化プロセスにリアルオプション的な解釈を試みた。パーム樹はそもそもマレーシア自生ではなく、ゴム・プランテーションの多角化の中で、政府主導でその発展が模索された。オレオケミカルなどの川下部門の発展も、民間、政府の複合による様子見的なプロセスで進んだことが明らかにされた。その経緯からすれば、パーム油産業の発展はリアルオプションモデルでいうところの同時複合オプションに適合的であることが示唆された。
かかる理論的考察を踏まえた上で、Malaysian Palm Oil CouncilのCEOであるYusuf氏などにインタビュー調査を行い、また、パーム油産業関連の世界的イベントであるPalm Oil Conferenceに、研究期間中、毎年参加して知見を広めた。これらの成果から、改めて、パーム油産業の発展が試行錯誤的に開始、継続、拡大された経緯をマレーシア政策運営当事者から確認することができた。この成果の一部は、研究期間2年目に学内紀要にて英文で発表され、それを拡張した英文、和文論文を、国内外の学術雑誌に投稿し、アジア経済研究所編「アジア経済」の掲載が確定している。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2015 2014

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] マレーシア・パーム油産業の発展と資源利用型キャッチアップ工業化2015

    • 著者名/発表者名
      小井川広志
    • 雑誌名

      アジア経済研究所「アジア経済」

      巻: 56 ページ: 2-32

    • 査読あり / オープンアクセス / 謝辞記載あり
  • [雑誌論文] Catching-up Industrialization of the Malaysian Palm Oil Industry2014

    • 著者名/発表者名
      Hiroshi Oikawa
    • 雑誌名

      Kansai University Review of Business and Commerce

      巻: 15 ページ: 37-67

  • [学会発表] 新興国におけるサプライヤーの出現プロセス:マレーシア・ペナンのケース2014

    • 著者名/発表者名
      小井川広志
    • 学会等名
      企業家研究フォーラム
    • 発表場所
      大阪大学中之島センター
    • 年月日
      2014-07-20
  • [学会発表] マレーシア・パーム油産業の発展と資源利用型キャッチアップ工業化2014

    • 著者名/発表者名
      小井川広志
    • 学会等名
      アブラヤシ研究会
    • 発表場所
      京都大学東南アジア研究所
    • 年月日
      2014-07-19

URL: 

公開日: 2016-06-01  

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