研究課題/領域番号 |
24653074
|
研究機関 | 静岡大学 |
研究代表者 |
桜井 良治 静岡大学, 人文社会科学部, 教授 (00205816)
|
研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2016-03-31
|
キーワード | 相続税 / 日露戦争 / 戦争経費 / 戦時外交 / 日露戦争会戦 / 会戦の詔勅 |
研究実績の概要 |
研究テーマは、明治期の相続税創設期とそのきっかけである日露戦争に関するものである。まず平成26年度の前半には、日露戦争関係の図書や資料の収集を行った。具体的には、国会図書館の憲政史料館や新聞史料館等で、資料収集を行った。明治期の弱小国家である日本で、膨大な日露戦争経費をどうして調達することができたのか。また、公債発行額の大きさとそれを返済するための手段として、相続税という資産課税を新たに導入できた理由を解明することである。相続税導入に関しては、伝統的な家父長的な国家や家族に対する影響が国会で指摘されていることが、資料研究で判明した。 後半には、相続税関係の資料収集を実施した。国税庁の租税史料館にも調査研究のために訪問して、明治期の相続税研究のための資料を収集した。 港区麻布飯倉の外務省資料室も訪問して、日露戦争会戦時の天皇の詔勅等、国家的な資料をコピーした。外務省資料室では、明治期の外務省が保管する日露戦争会戦時の天皇の会戦の詔勅を始めとして、有益な資料をコピーした。 国税庁の運営する租税資料館では、相続税に関する資料や図書を入手した。国会図書館の新聞資料室では、萬潮報等の当時の新聞から、日露戦争戦費調達方法としての国債発行について、深い知見を得ることができた。当該研究に必要な資料や書籍については、かなりの程度収集することに成功した。 東京都の豊島区、品川区、新宿区、等の図書館も訪問して、以上の資料収集の補完作業を実施した。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
明治期の日露戦争や相続税関係の資料収集については、順調に収集している。 ただし、日露戦争の戦費調達のための公債発行とその返済手段としての相続税収入の研究に関しては、まだ十分にかそれを解明する資料を収集するに至っていない。
|
今後の研究の推進方策 |
日露戦争の戦費調達のための公債発行とその返済手段としての相続税収入の研究のために必要な資料を収集する必要がある。また、それについて、分析する必要がある。アメリカでの外債発行による戦費調達やユダヤ資本の貢献についても、事実関係を解明する必要がある。またそれについて、深く分析する必要が生じている。
|
次年度使用額が生じた理由 |
大学の教育業務や就職委員長としての委員会業務で超多忙であったため。ただし、所定の調査研究は十分に実施しており、研究の基礎固めは、しっかり実施している。 研究経費の使途も研究出張費用や研究器材の購入に使用されており、順調に実施している。残された課題は研究のまとめとしての研究実績報告書の作成となっている。
|
次年度使用額の使用計画 |
次年度の研究経費については、主として研究のまとめのために使用する。具体的には、ノートパソコンやハードディスクの購入、研究報告書の印刷等の研究報告書の作成経費として使用予定である。 出張経費については、前年度までに実施できなかった箇所について、必要最小限の範囲で実施する。未購入の必須図書についても、日露戦争や相続税に関して、必要最小限の支出に限定して使用する。
|