現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成24年度の計画では、第一にわが国の金融機関の実務の現状を把握するために、基礎的な統計を整理することとしていた。この点では、日経NEEDSなどの電子媒体で用意されているデータだけではなく、アニュアルレポートレベルでの詳細なデータの収集を進めた。さらに、3年目に本プロジェクトとして実施する予定であるアンケート調査の予備的な調査として、別のプロジェクトに便乗する形で、関連する調査を実施することができた。さらに、申請者にとって土地勘のある金融界だけではなく、不動産業界や建築業界に対する業界ヒアリングを実施することができたことは、想定以上の進捗であった。 第二の計画は、金融における不動産担保の学術的な研究の整理である。2011年以降に数多くの興味深い研究(完全に問題意識を共有するわけではないが)が公表されている。たとえば、Chaney, Thomas; Sraer, David; Thesmar, David, "The Collateral Channel: How Real Estate Shocks Affect Corporate Investment,"AMERICAN ECONOMIC REVIEW 102, 2012などである。こうした文献を比較検討しながら、本プロジェクトのオリジナリティを確立すべく努力している。こちらについては、想定通りの進捗であった。 以上より、全体として、「おおむね順調に進展している」と判断した。
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