金融新商品やその取引機会の提供自体を民間経済主体が利潤動機にもとづいて行う経済活動と見なし,金融システムの脆弱性をもたらすような市場の失敗がそこに見られるかを検証した。日経225オプションという取引所取引が行われているデリバティブについては,オプション価値の16.6倍の負債が内在しており注意が必要ではあるものの,その大きさは日本国債や事業債の残高に比べるとわずかであることがわかった。相対取引により金利スワップを行う誘因が広義の金融機関が持ちうることを確認できた。しかしながら、取引需要の根本要因となる経済主体間の異質性の程度がどのような要因で動いてきているのかについては、今後の分析がまたれる。
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