「三井物産特別職員録」を用いて、1910-1930年代における三井物産全職員の配属と賃金のパネルデータを構築することが目的であり、粗入力の段階まで終えた。この時点における探査的分析の結果、1)三井物産において、学歴は、採用当初の給与水準には強く影響するものの、長期的にはその効果は減衰すること、その結果として、たとえば、中学校卒業職員が東京帝国大学卒業職員を追い越すことは十分に可能であったこと、(2)関連して、いわゆる超難関大学卒業者であることは、大学卒業プレミアムに有意な追加プレミアムを与えないこと、(3)一般賞与は基本給に連動していたこと、が明らかになった。
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