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2012 年度 実績報告書

ゲーム理論を用いたコモディティ化市場の経営戦略の研究

研究課題

研究課題/領域番号 24653087
研究機関尾道市立大学

研究代表者

小川 長  尾道市立大学, 経済情報学部, 准教授 (50583225)

研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2013-03-31
キーワード経営戦略 / ゲーム理論 / コモディティ化市場
研究概要

現在、多くの企業が商品やサービスのコモディティ化による業績の悪化に頭を抱えている。本研究では、製品ライフサイクルの各ステージの市場状況におけるプレイヤーの利得行列の分析をもとに、ゲーム理論のフレームワークを利用して、コモディティ化が生起する要因を明らかにし、それをもとにコモディティ市場における企業の経営戦略の糸口を提示することを目的とした。また、これまで経営学研究において提示されてきた企業行動の特徴や、それに基づく経営戦略の根拠のほとんどが、事例から帰納的に求められているのに対して、理論的で演繹的な根拠の提示に挑戦し、何らかの萌芽的な知見を示すことを目指した。
本研究を通じて明らかになったことは、企業にとって何らかの差別化戦略(本研究では「開発戦略」)を採ることは優位戦略であり、絶対的にも、競合企業との相対的な競争関係にも期待利得の増加をもたらすものであるので、すべての企業はそれを志向するようになる。さらに、ライフサイクルの初期において、能力のレベルにかかわらず開発戦略によって、すべての企業が利得の増加を経験することで、開発能力向上志向が強化され、それが成功法則と認識されるようになる。
しかし、成長期、成熟期とステージが進み、市場のコモディティ化が進展するにつれて企業の期待利得は逓減し、やがて負となるにもかかわらず、相対的な競争関係だけに囚われている企業は、開発戦略が絶対的に優位な戦略とみなし、それによって競合企業を凌駕し、市場シェアの拡大を実現しようと、いつまでも開発能力向上を追求し続ける。このように、過去の成功戦略がコモディティ化市場において陳腐化していくにもかかわらず、企業はそれに気付き難いことを説明している。
これは、まさにクリステンセン教授の説く有名な「イノベ―ターのジレンマ」であり、本研究では彼の主張したオーバーシューティングの仕組みを理論的に説明している。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2012 その他

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] コモディティ化市場における企業の行動と戦略 ‐ゲーム理論のフレームワークによるアプローチ‐2012

    • 著者名/発表者名
      小川 長
    • 雑誌名

      尾道市立大学経済情報論集

      巻: 12‐2 ページ: p.87‐p.128

    • DOI

      http://harp.lib.hiroshima-u.ac.jp/handle/harp/11095

  • [学会発表] コモディティ化市場における企業の行動と戦略 ‐ゲーム理論のフレームワークによるアプローチ‐

    • 著者名/発表者名
      小川 長
    • 学会等名
      経営戦略学会 第13回大会
    • 発表場所
      慶應義塾大学
  • [備考] 研究案内 経済情報論集

    • URL

      http://www.onomichi-u.ac.jp/research/book_eco.html

URL: 

公開日: 2014-07-24  

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