• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2013 年度 実績報告書

イジングモデルを拡張した、ネットワークの外部性の効果に関する定量的研究

研究課題

研究課題/領域番号 24653089
研究機関金沢工業大学

研究代表者

石井 充  金沢工業大学, 工学部, 講師 (10350753)

キーワードネットワーク外部性 / イジングモデル / 統計力学
研究概要

前年度の実績を踏まえ、イジングモデルに基づく近接相互作用型のエージェントモデルを用いて、さまざまなパラメータに対して、大規模な数値計算を行った。パラメータとしては、外部磁場の大きさを規定するものと、エージェント間の相互作用の大きさを規定するものの二つが存在する。外部磁場の向きを上向きと定義した。初期状態として、各エージェント持つ磁性がすべて下向きの状態をとる。これは外部磁場と逆向きになっているので、完全な安定状態ではないが、すべてが上向きの状態になるためには、一部分が上向きの状態を経由せねばならない。そのような状態は、相互作用のエネルギーにより、初期状態よりもエネルギーが高く、初期状態が速やかに上向き状態にそろうことはない。しかし、熱的揺らぎの効果により、一定時間後には大多数が上向きの状態になるようにモデルを構築した。
数値シミュレーションの特性上、統計誤差が生じるが、同一のパラメーターセットに対して1万回以上のシミュレーションを行い、その平均を得ることによって、統計誤差を1%以下に抑えることができた。
その結果、近接型の相互作用を持ち、ネットワークの外部性の効果が強く表れる系においては、利用者数が母集団の20%程度で指数関数的な増加から線形増加へと変化する現象を再現できることが判明した。また、モデル内に現れるパラメータは、基本的には時間スケールを与えるものであり、指数関数的な増加から線形な増加へと移行する閾値は、モデルのパラメータにあまり依存せず、おおむね母集団の20%程度であることが判明した。また、エージェント数が6400を超えると、格子サイズを変更しても結果には有意な変化が見られず、得られた結果は境界条件に依存しないことが確認できた。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2014 2013

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] 統計力学的手法によるネットワーク外部性の発現メカニズム2014

    • 著者名/発表者名
      石井充
    • 雑誌名

      経営情報学会誌

      巻: 23 ページ: 1-15

    • 査読あり
  • [学会発表] 近接相互作用エージェントモデルを用いた独占形成過程におけるプロモーション効果の最適化戦略2014

    • 著者名/発表者名
      石井充
    • 学会等名
      経営情報学会 2014年春期 全国研究発表大会
    • 発表場所
      青山学院大学
    • 年月日
      20140601-20140601
  • [学会発表] 近接相互作用エージェントモデルを用いた独占形成におけるプロモーション効果の時間依存性2013

    • 著者名/発表者名
      石井充
    • 学会等名
      経営情報学会 2013年秋期 全国研究発表大会
    • 発表場所
      流通科学大学
    • 年月日
      20131027-20131027

URL: 

公開日: 2015-05-28  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi