研究課題/領域番号 |
24653091
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研究種目 |
挑戦的萌芽研究
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研究機関 | 京都産業大学 |
研究代表者 |
井村 直恵 京都産業大学, 経営学部, 准教授 (10367948)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | デザイン・マネジメント / 国際比較 / 和装産業 / テキスタイル / 美の創出 |
研究概要 |
本研究課題は、“美しさ”という感覚的な価値観が競争的資源となる製品を産出する上で、文化・社会制度等の要因が開発・生産プロセスのどこにどのように影響するか」という問いに答えようと試みるものである。 Apple社やBang and Olufsen等、企業のデザイン力は、比較的長期的な競争優位の源泉ともなっている。日本政府もデザイン分野の強化を意識しはじめ、グッドデザイン賞など、競争力の源泉としてデザイン力を重視するようになってきた。日本は、建築や文化財など世界的にも評価の高い美しい製品を産出する能力を保有している筈である。世界市場とのギャップがどこにあるのか。ハイエンド製品と量産型製品では文化の影響が異なりデザインのプロセスも違う。ハイエンドはより国の特性が反映され、量産はユニバーサル化が進み産地を選ばないことを仮説として、文化的影響の強い産業と文化的影響をそれほど受けない産業について比較調査する。 文化的影響の強い産業として、本年度は京都における和装産業クラスターの調査を実施した。和装産業を帯産業と着物産業に大別し、帯産業における産業構造とデザイン過程についての実証調査を行った。文献調査に加えて、西陣織会館にて、帯産業の産業構造についてのヒアリングを行った。本調査は、和装産業において美的感覚を継承するメカニズムについて、25年度以降も継続して実施する。 逆に、文化的影響をそれほど受けない産業の事例として、ダイキン工業を取り上げ、デザイン、生産過程、グローバル戦略についての調査をし、ケーススタディとして成果をまとめた。ダイキン工業の調査により、文化的影響をそれほど受けない産業においては、デザインの美しさよりも、グローバル戦略が重視されること、しかし機能面においては、文化的影響が強く反映される事を確認した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究計画に一部前後する内容があるものの、概ね順調に進展している。
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今後の研究の推進方策 |
海外研究協力者との調整の都合上、H25年度、H26年度に実施予定の研究計画の内容とは一部前後して調査を実施することとなった。 H25年度も継続して和装産業及びテキスタイル産業の調査を実施予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
H24年度に実施予定だった内容については次年度への繰越申請を行った。繰越金及び翌年度の経費は主としてテキスタイル産業の国際比較のための、旅費として使用する
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