研究課題/領域番号 |
24653097
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研究機関 | 宮城大学 |
研究代表者 |
都 世蘭 宮城大学, 食産業学部, 准教授 (90599193)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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キーワード | flow / AEP / Marketing / EEG |
研究概要 |
マーケティングにおける「フロー (Flow)」に関する既存の研究は、質問票やインタビューなどの自己報告式(self-report)の調査法を利用してきたが、今回の研究はニューロ・サイエンス実験法を用い、リアルタイムで人々の心理的プロセスを掴むことを目的としたものである。既存研究の主な問題点としては、主観を客観化できないことや、フロー状態のメカニズムが解明できないことである。本研究は、ニューロサイエンスの実験手法である脳波(EEG Electroencephalography)を用い、実際に人間が行動している間のフロー(flow)状態を測定しリアルタイムで人の心理的プロセスを掴む実験を行った。本来主観的な「現象」を、的確な行動指標や最先端の高密度EEG の計測により、客観化を試み、「フロー」概念の神経学的メカニズムの解明を追求した。 被験者24名を対象にして実験を行い、「Call of Duty: Modern warfare2 (First person shooting game)」というビデオゲームを用いて、EGIの128チャネルのEEGキャップを被らせて被験者達に60分間ゲームをさせ、その間に被験者達に聴性誘発電位(AEP)を1分毎に聞かせた。その実験状況を録画し、実験がおわった後、録画した映像を見せながら、プレーヤー自身がフロー度を回顧的に自己評価する。この実験で被験者たちがフローを感じる時の脳の活動が減少している事がはっきり確認できた。このことから、時間が過ぎると、脳の誘発電位が減少して脳活動が弱くなってくることが計測できた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
マーケティングにおけるフロー状態のメカニズムを解明するため「Call of Duty : Modern warfare2」を用い、EEG (Electroencephalography)実験を終え、分析も終えた。また、H25の予定であった200名を対象とした行動学的調査も終えた。今後論文としてまとめ発表を予定している。
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今後の研究の推進方策 |
fMRIを利用した研究も予定していたが、flow-in, flow-outの時間的状態を計測するための実験にはEEG(Electroencephalography)がよりふさわしいことが実験の結果からわかり、EEG実験に絞って行う。また、行動学的調査データを用い、EEG結果との関係を分析し、 ゲーム活動中でのフローの状態を分析する。
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次年度の研究費の使用計画 |
EEG追加実験を行う。また、EEG分析結果をまとめ、国際学会での発表を予定している。
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