管理会計という実務との相互作用が無視できない重要性をもつ学問において、実務実践と理論研究との相互発展を可能とする知のあり方を「臨床会計学」として構想した。「臨床会計学」とは、経営者や経営企画部門スタッフによって経営現場で用いられている会計の実践的な知恵と、会計研究者の理論的知識を結びつける知のあり方である。本研究によって、(I)臨床会計学とは科学的知識と「固有世界」「身体性を備えた行為」「事物の多義性」を結びつける専門家の知的活動を対象とする研究領域であり、(II)臨床会計学を構築するために専門的知識の再生産の場として知識生態系を構成するべきだという展望を示した。
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