研究課題/領域番号 |
24653116
|
研究種目 |
挑戦的萌芽研究
|
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
太郎丸 博 京都大学, 文学研究科, 准教授 (60273570)
|
研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
|
キーワード | 科学社会学 / 引用分析 / 社会学の社会学 / マルチレベル・モデル / ニクラス・ルーマン / 女性労働 / 在日韓国・朝鮮人 |
研究概要 |
第一に社会学の下位分野間の引用の作法の違いについて分析した。具体的にはルーマン研究、在日研究、女性労働研究の3つの分野に関して、1990-2008年の間に出版された文献の中から、それぞれ30ずつ文献をサンプリングし、それぞれの分野で引用されている文献の平均的な特徴を比較した。女性労働研究は他の2分野に比べて新しい文献を参照しやすい。文献の出版年の平均値はルーマン研究と在日研究でほぼ同じであるが、在日研究のほうが、ばらつきが小さく、5~20年前に出版された文献の比率が有意に高かった。引用文献に占める外国語の文献の比率を見ると、ルーマン研究が 65%、女性労働研究は 30%、在日研究が 10% であった。また引用文献に占める雑誌論文の比率は、ルーマン研究と女性労働研究が 約20%で、女性労働研究が 40% であった。総じて 女性労働研究は Hargens(2000) のいう社会科学型の引用に比較的近く、在日研究は人文学型の引用に近く、ルーマン研究は両者の中間であった。この結果は関西社会学会大会で報告した。 また、日米英比較を進めるために、日米英の主要な雑誌に掲載された論文で用いられている方法と文献を調べ、コーディングおよび入力を行った。これについては2013年度以降に分析して報告する予定である。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
データはおおむね予定通り収集しているし、理論研究も進んでいるが、他の研究課題に予想以上に時間をとられ、これまでのデータや研究成果を論文にまとめる時間がとれなかった。
|
今後の研究の推進方策 |
基本的には交付申請書に記載した当初の予定通りに進めていくが、データと文献の収集の規模・範囲の縮小も視野に入れつつ研究計画を練り直す。論文の執筆が遅れているので、そのための時間をしっかりとることに今後は重点を置く。
|
次年度の研究費の使用計画 |
該当なし。
|