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2013 年度 実施状況報告書

学説史と科学計量学による社会学の日英米比較

研究課題

研究課題/領域番号 24653116
研究機関京都大学

研究代表者

太郎丸 博  京都大学, 文学研究科, 准教授 (60273570)

キーワード科学社会学 / 社会学の社会学 / 社会ネットワーク / 内容分析 / 引用分析 / 科学計量学
研究概要

第一に、社会学の下位分野間で引用作用がどのように異なるかを分析し、論文にまとめた。ルーマン研究、在日研究、女性労働研究に該当する論文で1990~2009年に出版された論文をサンプリングして、どのような文献を引用しているかを調べた。仮説としては、女性労働研究がもっともハードサイエンスに近く、ルーマン研究がもっともソフトである(そして在日研究は両者の中間)と考えられたので、女性労働研究が、新しい論文、英語の論文、雑誌論文、同分野の論文を最も引用しやすく、ルーマン研究はこれらを最も引用しにくいと考えられた。分析の結果、確かに女性労働研究は上記のようなタイプの論文を最も引用しやすい傾向があったが、ルーマン研究と在日研究の差異は明確ではなく、場合によってはむしろルーマン研究のほうがハード・サイエンスに近い特徴を示す場合もあった。
第二に、日本、英国、米国の主要な社会学雑誌(各国2誌ずつ)に2012年に発表された論文で用いられた方法と、それらの論文で引用された文献のタイプについて分析を行った。米国がもっとも漸進主義的(データにもとづき、専門家同士の相互批判・了解を通して漸進的に学問を発展させていこうとする志向)で、日本が最も漸進主義的ではなく、英国が日米の中間という仮説を立てて分析を行った。分析の結果、米国が顕著に漸進主義的な特徴を示していたが、英日の差異はそれほど明瞭ではなく、特に論文で用いられている方法の分布に有意差はなかった。
第三に、日本の社会学者のネットワークを分析するために科研費の研究分担ネットワークのデータを構成した。データは現在クリーニング中である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当初予定通り、日米英の比較分析を行うことができた。

今後の研究の推進方策

今後は、入手したネットワークデータの分析を行う。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2014 その他

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (2件) (うち招待講演 1件) 備考 (2件)

  • [雑誌論文] 日本の社会学はどんな文献を参照しているのか: 引用作法の下位分野間比較1990-20092014

    • 著者名/発表者名
      太郎丸 博
    • 雑誌名

      京都大学文学部研究紀要

      巻: 53 ページ: 235-255

  • [学会発表] 数理社会学を社会調査の授業に埋め込む?

    • 著者名/発表者名
      太郎丸 博
    • 学会等名
      第56 回 数理社会学会大会
    • 発表場所
      関西学院大学
    • 招待講演
  • [学会発表] 社会学の方法・引用文化の日米英比較

    • 著者名/発表者名
      山本耕平・太郎丸博
    • 学会等名
      第86回日本社会学会大会
    • 発表場所
      慶応義塾大学
  • [備考] 太郎丸 博のページ|業績

    • URL

      http://tarohmaru.web.fc2.com/Papers.html

  • [備考] Theoretical Sociology

    • URL

      http://sociology.jugem.jp/

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公開日: 2015-05-28  

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