異なる民族の共存を可能にするような多極共存アプローチと構造論アプローチの組み合わせを、システム論に基づいて検討した。多極共存アプローチは、集団ごとの自立を認めるので、激しい紛争を何とか収束に向かわせるには有効だが、それだけだと一般の人々は反目しがちになる。構造論は集団横断的なつながりを作ろうとするが、紛争の直後ではそのような仕組みはうまく作れない。そこで、最初は多極共存型の体制を取りながらも、そこから指導者間にとどまらない、集団横断的なつながりを構築していくことを考えるべきである。そのために、ナイジェリア、南アフリカ、レバノンはどのような政策をとるべきだったか、明らかにした。
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