従来コミュニケーションの視点から論じられることが多かった管理表示・管理放送を、環境と身体との相互作用という生態学的な構図のもとに位置づけて、アーキテクチャとして把握することを試みた。管理表示・管理放送をパターナリズムとしてではなく相互行為儀礼として把握することで、それらの増加の原因やその効果上の問題点、それらに関する人びとの意識をよりよく説明できるようになった。管理表示・管理放送の増加の悪循環を断ち切るために、人びとを誘導・管理する手法を説得型のコミュニケーションから規制を意識させないアーキテクチャへと転回させることの有効性を示唆した。
|