研究課題/領域番号 |
24653131
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研究機関 | 関西大学 |
研究代表者 |
安田 雪 関西大学, 社会学部, 教授 (00267379)
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研究分担者 |
鳥海 不二夫 東京大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (30377775)
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キーワード | 民意 / twitter / 情報伝播 / 普及 |
研究概要 |
平成25年度は、24年に獲得した大規模tweetデータ収集に関わる方法論、とくにキーワード選択にかかる知見をふまえ、候補者や政党による選挙期間中のインターネット利用が歴史上初めて解禁された平成25年の参議院選挙の直前期間におけるtweetから、争点キーワードをクエリーとして、東京大学鳥海研究室のサーバを用いて収集した。両データセットは、ソーシャルメディア上のデータからの民意推定を行う基礎事例データといちづけ、比較検討分析を行うため、関西大学安田研究室において可能な限りノイズを除去するデータクリーニングを行い、内容を視認し、頻度及び趨勢、内容のテキストマイニング分析を実施した。選挙時のtweetデータは、いわゆるビックデータであり、追跡による発信者属性の特定が可能であり発信時刻、情報伝播状況という属性ももつ蓄積データである。内容分析及び発信者の追跡調査は、参議院選挙後から分析しており、現在も継続中である。 平成25年度に導出された知見としては、平成24年度及び25年度における選挙期間中のソーシャルメディアの利用行動データからは、(1)政党及び候補者サイドの行動は交流や相互コミュニケーションを意図しない発信者としての一方向的な利用行動が大半であり、有権者の双方向のコミュニケーションを促進する試みは稀少であったこと、(2)そのため、政党及び候補者によるソーシャルメディアの活用は、従来のマスメディア型の広告と同様に位置づけられ、民意推定・予測機能を可能とすべく有権者からの情報発信行動をひきだすにはいたっていないこと、一方、インターネット解禁後の初選挙では、(3)政党は民間のソーシャルメディアデータの分析企業を積極的に商用利用し、ソーシャルメディア上の情報を収集し投票者の民意や投票行動予測をしようと多様な試みをなしたことが関係者からのヒアリングにおいて確認されたことをあげられる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成24年度と25年度に実施された参議院選、衆議院選時の大規模tweetデータの収集が完了した。基礎データのクリーニング、内容の視認とテキストマイニング作業が進行しており、データの収集は、当初の計画どおりに順調に進展していると考えている。両データセットを保存、呼び出し、書き出し、分析するための基本的装備、装置も、同期間に研究室に整備できた。一方、研究開始以降に、大規模データを収集するTwitter社のAPI仕様が突然、何度か変更されたため、そのたびにシステムや設備の変更を余技なくされた。今後もこのような変更が発生する可能性があり、収集のための設備の運用が、当初の想定より不安定になるという脆弱さをかかえている。ただし、現時点ではデータ収集設備は問題なく、可動しており、スケジュール的にはおくれはない。分析内容については、国際学会(INSNA)での報告及び意見交換を行い、対外的な発信も予定どおりこなしている。
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今後の研究の推進方策 |
最終年度のため、民意推定のためのtwitterデータの解析方法のノウハウ及び問題点の整理を行い、過去二年間分のデータ解析内容については、最終年度獲得予定のデータ解析事例もあわせて、国内外の学会やジャーナルにおける発信をしていく予定である。また、国内外の民意と世論についての先行研究の理論的整理をしたレビューも、別途、論文化すべく執筆をすすめていく予定である。今年度は、研究会の打ち合わせ、学会報告など、これまでの研究成果をひろく公開し、対外的な発信に注力する予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
当初、予定していた消耗品の発注・購入時期がおくれ、次年度(平成26年度)に発注を先送りしたためである。 前年度に購入を先送りした、プリンター用トナー及びケーブルなどの購入を予定している。
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