研究課題/領域番号 |
24653134
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
安梅 勅江 筑波大学, 医学医療系, 教授 (20201907)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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キーワード | エンパワメント / コミュニティ / 住民参加 / 当事者 / 共創 / 木育 / 評価 |
研究概要 |
本研究は、20年間の追跡調査と介入研究により、科学的な根拠に基づくコミュニティ・エンパワメント・プログラムの開発を目的としている。平成24年度には、下記の研究を行った。 1.国内外の「木育」プログラムに関する系統的レビューとエビデンス・テーブルの構築:「木育」プログラムの開発過程、内容、評価に関する海外先進機関の訪問調査、既存研究の系統的レビューとエビデンス・テーブルを構築した。開発研究を実施している研究機関を訪問し、情報交換と情報収集を行った。 2.追跡データを活用したコミュニティ・エンパワメント・プログラムの効果評価:平成元年~23年に実施したのべ110,000名の調査対象者の中から、プログラム参加者を抽出し、非参加者と比較しながら精神面・身体面の効果の軌跡と関連要因を分析する。 3.住民と専門職に対するフォーカス・グループ・インタビューに基づく評価項目の抽出:「木育」と「多世代交流」のニーズと内容を抽出するため、住民および専門職80名に対するフォーカス・グループ・インタビューを、各々8名ずつ10グループに対し実施する。実際の経験、当事者ニーズ、体験に基づく重要項目などを討論の柱として、具体的な内容を詳細に、できるだけ数多く収集する。1グループあたり原則として約2時間の時間をとり、逐語記録と観察記録を合わせてデータ化した。 4.「木育」を活用した多世代交流プログラム試案の作成:1)国内外の「木育」プログラムの開発過程、内容、評価の系統的レビュー、2)20年間追跡データの分析結果、3)住民と専門職のフォーカス・グループ・インタビューにより得られた情報、を活用し、統計的妥当性及び臨床的重要性を加味しながら、有効な項目を抽出して体系化し、「木育」を活用した多世代交流プログラム試案を作成した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の研究目的にそって、進行しているため。
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今後の研究の推進方策 |
さまざまな地域で、木育の実践的な活用が期待される。特に当事者を巻き込んだ仕組みづくり、実際にコミュニティ・エンパワメントに携わるチーム作りが肝要である。 そのための基本的な考え方を整理するとともに、具体的な方法論を明示したことで、他の地域においても適用が容易になったと考える。
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次年度の研究費の使用計画 |
4月に大規模調査実施予定のため、次年度使用金額を残した形で昨年度執行した。
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