研究課題/領域番号 |
24653142
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研究機関 | 石川県立看護大学 |
研究代表者 |
山岸 映子 石川県立看護大学, 看護学部, 准教授 (50347358)
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キーワード | 里帰り分娩 / 周産期ケア / 母子保健サービス / 過疎地域 / 地域支援 |
研究概要 |
わが国の出産形態において里帰り分娩はかなりの割合を占めているが、市町村実施の母子保健サービスは地域住民を対象としているため正確な実態は把握されていない。里帰り分娩の形態自体多様性があり、産科学的にはリスクファクターとみなされるが産婦人科学会の用語集や産科テキストに定義の記載はなく、行政においても把握するシステムになっていない。 里帰り分娩のメリットは実母からの身体、心理的援助が得られることであり、デメリットは妊娠末期および産褥早期の移動による母子への負担、周産期ケアの継続性や一貫性の欠如、施設についての情報およびコミュニケーション不足、産科学的な異常がやや高く、異常が生じた場合夫(パートナー)不在による対応の遅れ、夫分離による家族役割獲得や調整の遅れ、自宅へ帰宅後の適応困難、実母によるネガティブな影響を及ぼす支援などがあげられる。 妊娠と出産に関する安全性と快適さの確保において里帰り分娩のメリットを生かしデメリットに対応した、継続的母子保健サービスや地域支援が不可欠である。特に人口減少の著しい過疎地域では、出産の多くを里帰り分娩が占めている。本研究ではわが国の過疎地域における里帰り分娩に対する母子保健サービスや地域支援の実態およびニーズを明らかにするとともに、里帰り分娩に対する妊娠、出産および子育て支援が、自宅や里帰り先それぞれの地域や医療機関の連携のもとに継続して受けることができるシステムを開発することを目的とする。 研究内容は、1.過疎地域における里帰り分娩に対する母子保健サービスと地域支援体制についての実態調査と2.石川県内の過疎地域における里帰り分娩対象者へのニーズ調査からなる。これまでにキーワード:里帰り分娩(出産)に対し、データベースJ-dreamIIIと医学中央雑誌において文献レヴューを実施している。過疎地域は過疎地域自立促進特別措置法第2条1項適用の市町村である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
平成24年度の実施計画である1.過疎地域における里帰り分娩に対する母子保健サービスと地域支援体制の実態調査および2.石川県内の過疎地域における里帰り分娩対象者へのニーズ調査は当初より遅れて平成25年度実施予定であったが、平成25年度もさらに遅れ、平成25年度実施計画である1.過疎地域における市町村管轄内の産科医療施設での里帰り分娩に対する実態調査についていずれもいまだ実施されていない状況にある。 今年度、調査実施において大きく遅れた理由は、体調不良もあったが、調査内容の充実のための調査票の見直しに時間が必要とされたためである。
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今後の研究の推進方策 |
平成26年度は当初研究の最終年度にあたり、すべての調査を同時並行的に実施予定である。平成26年度の8月、9月の夏季休暇中にこれらの研究を集中的に実施予定である。 当初予定のすべての調査を実施し、報告書作成につなげたいと考える。
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次年度の研究費の使用計画 |
次年度使用額が生じた理由は、本研究の調査実施に遅れが生じ、調査票の郵送が未だ実施されていないためである。次年度は研究計画申請内容どおり確実に調査を実施予定で、未使用額はそれらに使用予定である。 平成26年度は当初研究の最終年度にあたり、すべての調査を実施予定である。平成26年度の8月、9月に研究を集中的に実施予定である。 次年度使用額は報償費、調査票の印刷、郵送、旅費、データ入力、報告書作成等に使用予定である。
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