過疎地域における里帰り分娩に対するソーシャルサポートに関する本研究は、わが国の出産形態においてかなりの割合を占めている里帰り分娩に対し、1.過疎地域における里帰り分娩に対する母子保健サービスと地域支援体制の実態調査、2.里帰り妊婦を対象としたニーズ調査、3.過疎地域の産科医療施設での里帰り分娩に対する実態調査からなる。研究は平成24年~平成26年度であったが全体の計画実施に大幅な遅れが生じ、平成27年度まで期間延長いただいた。しかし、平成27年度実施予定が家庭の事情によりほとんど実施できず当該年度使用予定であった研究費を返却せざるを得なくなってしまった。 近年少子化対策の取り組みとして妊娠から子育てまでの切れ目のない支援体制の構築や、多様な主体による子や孫育てにかかる支援などさまざまな子育て支援施策が打ち出されている。しかし、支援内容は日常生活の地域活動範囲を対象としたものであり、里帰り分娩等遠隔地に及ぶものについては何も考慮されてはいない。そのため早急に本研究を実施し、研究成果を過疎地の活性化につながる子育て支援策に反映できるようにしていきたいと考えている。
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