わが国の過疎地域では出産の多くを里帰り分娩が占めている。本研究は、わが国の過疎地域616ヵ所の市町村における、里帰り分娩に対する母子保健サービスと地域支援体制に関する実態調査である。人口が減少している過疎地域にとって、里帰り分娩は分娩取扱い産科医療施設をはじめ、地域の活性化にとって重要である。しかし、里帰り分娩に対し、これまで特別に配慮した母子保健サービスは行われておらず、里帰り分娩そのものも減少傾向にある。 里帰り分娩に対し、家族への、きめ細やかで継続した支援の充実が望まれる。早急に、里帰り分娩に対する母子保健サービス内容の充実と容易にアクセスできるネットワークの構築が望まれる。
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