研究課題/領域番号 |
24653153
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研究種目 |
挑戦的萌芽研究
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研究機関 | 神戸医療福祉大学 |
研究代表者 |
兼子 一 神戸医療福祉大学, 社会福祉学部, 講師 (30441413)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | アートセラピー / 全国実態調査 / 社会学 / 芸術諸学 / 臨床心理学 / 地域福祉 / 子育て支援 / コミュニティ・エンパワーメント |
研究概要 |
平成24年度の研究実施計画では、地域におけるアートセラピーの活用状況について全国規模で把握することを目的とし、調査対象として5,300与件の全国の公的機関(各種保健機関・各種福祉機関・教育委員会・男女共同参画推進センター、その他特定できたものを追加)に対し、自記式アンケート(郵送法)による量的調査を実施する予定だった。 しかし6月~8月の予備調査によって、公的機関を対象にした調査方法では有意義な回答が得られないという結論に達したため、①調査対象データベースの整備、②データベースから調査対象を抽出という2つの作業を見直し、11月より、ウェブサイト上に連絡先を公開しているアートセラピスト全てを抽出し、既成の名簿と併せて調査対象者名簿を全国規模で作成、その名簿に基づく全数調査を実施する方法に変更した。この名簿は年度末に完成し、これによって、全体目的であるアートセラピストの活動状況や活動環境に関する全国規模の調査が可能になった。 また9月以降、直接アートセラピストに郵送配布する目的でアンケートの内容を再検討し、セラピストの活動実態、地域社会での保健・福祉・教育との連携状況、セラピーの水準について把握できるように③自記式アンケートを作成した(兼子・石原・宮川・小村)。この作業にあたり、アートセラピー実施法人役員の小村みち(大阪工業大学非常勤講師)を研究協力者として招聘し無事に作業を終えた。 この間に日本社会学会(11月)と日本社会学理論学会(3月)にて研究報告を行い、現時点での考察内容を出版物(石原)にしている。 ここまでの段階で年度末を迎えたため、④アンケート調査の実施と集計(兼子・石原)、⑤集計データの分析(兼子・石原・宮川・小村)、⑥ホームページの開設(兼子)は次年度に持ち越すことになった。なお、( )内は変更後の役割分担である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
平成24年度の研究実施計画では、地域におけるアートセラピーの活用状況について全国規模で把握することを目的とし、調査対象として5,300与件の全国の公的機関(各種保健機関・各種福祉機関・教育委員会・男女共同参画推進センター、その他特定できたものを追加)に対し、自記式アンケート(郵送法)による量的調査を実施する予定だった。そのため、①調査対象データベースの整備、②データベースから調査対象を抽出、③自記式アンケートの作成、④アンケート調査の実施と集計、⑤集計データの分析、⑥ホームページの開設の6項目を順次実施しなければならなかった。 しかし、データベースの整備を目的にした予備調査(6月~8月実施)において、公的機関を対象にした調査方法では有意義な回答が得られないという結論に達した。そのため、①調査対象データベースの整備、②データベースから調査対象を抽出する作業を見直した。11月より、ウェブサイト上に連絡先を公開しているアートセラピスト全てを抽出し、既成の名簿と併せて調査対象者名簿を全国規模で作成し、その名簿による全数調査の実施へと方法を変更した。この変更作業に時間を要し遅れが生じた。結果、調査対象データベースとなる名簿の完成は年度末になった。これによって、全体目的であるアートセラピストの活動状況や活動環境について全国規模の実態調査が可能になった。 この間、9月以降、直接アートセラピストに郵送配布する目的でアンケートの内容を再検討し、セラピストの活動実態について把握できるように新たに③自記式アンケートの作成を行い完成している。 ここまでの段階で年度末を迎えたため、予定していた6項目の内、④アンケート調査の実施と集計(兼子・石原)、⑤集計データの分析(兼子・石原・宮川・小村)、⑥ホームページの開設(兼子)の3項目は次年度4月以降の実施となった。
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今後の研究の推進方策 |
平成25年度当初の四半期(4月~6月)では、平成24年度中の計画で実施できなかった①アンケート調査の実施と集計(兼子・石原)②ホームページの開設(兼子)③集計データの分析(兼子・石原・宮川・小村)の3項目を順次実施する。 この過程でアンケートの回収率が低い場合は、再度アンケートへの協力を促す対策を実施する予定である。また、③集計データの分析は第2四半期(7月~9月)も継続して行う予定である。 第2四半期以降の主要な研究は平成25年度の実施計画に則って進める予定である。アンケート調査の回答から承諾を得られたアートセラピストを対象に質的調査を実施し、事例研究として地域におけるアートセラピーの活用状況と内容を具体的に把握していく。協力承諾者名簿から全国10エリア(北海道・東北・北陸・関東・東海・関西・中国・四国・九州・沖縄)別にセラピーの類別等の特徴を配慮して有意抽出した10名~15名を目標に質的調査を実施する。質的調査は、①半構造化面接法を用いたインタビュー調査と②参与観察 を用いる。①のインタビュー調査では、職業意識・活動内容・芸術観・地域社会との関係についてより詳細な情報収集を行う。②の参与観察では、協力が得られる範囲でセラピーの実施内容を観察・理解する。
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次年度の研究費の使用計画 |
平成25年度研究費の使用計画は、交付申請当初の計画から大きな変更はない。 平成24年度に支出予定だったアンケートの印刷代・送料は、本年度の残金53,366円含めて次年度の「その他」の項目から支出予定である。アンケートの回収率が低い場合は、アンケート協力依頼状を再送する予定のため、「その他」の項目で「通信運搬費」が増える可能性がある。しかし、当初の計画からの変更もあり、全体から見れば大きな変更は発生しないと判断している。 「旅費」について、平成25年度は調査出張が多くなるため不足の可能性がある。しかしながら、調査対象者の抽出時に旅費に対する配慮をしつつ選定するため、こちらも今のところ大きな変更は発生しないと判断している。
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