本研究は中国の福祉NGOの活動状況を把握するために、北京市内の福祉の事業をおこなっている複数のNGOについて、活動の状況、サービス内容などについて聞き取り調査を実施した。その結果、知的障害児を支援しているNGOはキリスト教系の団体で、会費を集めて運営されていた。入所児童の多くは農村出身であり、満足な教育や医療受けておらず、NGOが独自にリハビリテーションサービスを提供していた。一方、出稼ぎ労働者の子どもを支援しているNGOは、子どもたちの保護者がイギリスの財団から寄付を得て自力で運営をおこなっていた。都市部で暮らす農村戸籍の子どもたちは、満足な教育を受けること難しい現実も明らかになった。
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