研究課題/領域番号 |
24653166
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研究種目 |
挑戦的萌芽研究
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
竹澤 正哲 北海道大学, 文学研究科, 准教授 (10583742)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 評判 / 社会的交換 / 進化 / 間接互恵性 |
研究概要 |
一般的に他者に協力しない人は「利己的な悪い人だ」と人々から評価されるだろう。だが、他人に協力したことがない利己的な人から協力を求められてその依頼を断った場合、我々はその人物をどのように評価するだろう。利己的な人間に協力しない人間は「良い人だ」という評判を得るのだろうか?それとも「誰であれ協力を求められているのに協力しない人間は悪い人だ」という評判を得るのだろうか?人間社会における秩序や協力の存在を説明する上で、評判という仕組みが重要な役割を果すことは繰り返し指摘されてきた。だが、実際に人々がどのように評判を形成し共有していくのか、マイクロな認知レベルでの実証的な研究はあまりない。本研究の目的は、評判という、協力的な社会を支えるための認知的基盤を実証的に探求することにある。本年度は間接互恵性場面を用いた実験を複数実施し、人々が間接互恵性の理論研究で用いられているのと同様のアルゴリズムで評判を形成しているか否かを検討した。その結果、個人レベルでは人々は従来の理論で提唱されていたimage scoringというアルゴリズムに近い方法で過去の情報を集約して評判を形成している可能性が指摘された。また他者から観察されていて自らの行動が評判に影響する状況で、協力及び罰行動がどのように変化するかを検討した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
実験はほぼ計画通りに実施されており、研究の目的は概ね達成されており、順調に進展している。
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今後の研究の推進方策 |
次年度以降も研究計画に従って粛々と実験を実施してく予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
今年度の実験は無報酬で実施することができたため、平成24年度入金分は未使用とした。平成25年度に実験参加者への謝礼、研究打ち合わせ、研究成果発表のための旅費、実験補助者への謝礼といった用途で研究費を使用する予定である。
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