研究課題
一般的に他者に協力しない人は「利己的な悪い人だ」と人々から評価されるだろう。だが、他人に協力したことがない利己的な人から 協力を求められてその依頼を断った場合、我々はその人物をどのように評価するだろう。利己的な人間に協力しない人間は「良い人だ 」という評判を得るのだろうか?それとも「誰であれ協力を求められているのに協力しない人間は悪い人だ」という評判を得るのだろ うか?人間社会における秩序や協力の存在を説明する上で、評判という仕組みが重要な役割を果すことは繰り返し指摘されてきた。だ が、実際に人々がどのように評判を形成し共有していくのか、マイクロな認知レベルでの実証的な研究はあまりない。本研究の目的は 、評判という、協力的な社会を支えるための認知的基盤を実証的に探求することにある。本年度は2種類の異なる間接互恵性に注目し複数の実験を実施した。その結果、評判型間接互恵は1次の情報しか存在しない場合でも頑健に観察されるのに対し、恩送り型間接互恵は非常にもろく不安定であることを見出した。またMRI実験により、2つの間接互恵性の神経基盤を検討した。
2: おおむね順調に進展している
実験はほぼ計画通りに実施されており、研究の目的は概ね達成されており、順調に進展している。
次年度以降も研究計画に従って粛々と実験を実施してく予定である。
1992円と少額であり、これを年度内に利用する場合、無意味な用途に利用することとなるため研究目的のために計画的に利用する予定である
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Letters on Evolutionary Behavioral Science
巻: 5 ページ: 5-8
10.5178/lebs.2014.28.
Proceedings of the National Academy of Sciences of the United States of America
巻: 111 ページ: 3990-3995
10.1073/pnas.1318570111