研究課題
本研究は,物や樹木や風景などのイメージ描画と風景構成図の統計的画像処理による,社会的認知研究の方法論の開発とその妥当性研究を行い,広義の「社会的認知」に関する知見を得ることを目的としている。本研究では,調査や面接を通じて,従来あまり客観性がないとされてきたイメージ描画や風景構成法の妥当性や信頼性について,特異値分解,フーリエ解析などの画像解析手法を用いて検証する手法を開発することを目的とした。本研究では,精神病院の患者を対象者として樹木法による描画を求めた。この方法に加えて,SDS,YG,意思決定スタイル,社会的認知スタイルなどについての質問紙調査を行い,社会や人間関係の社会的認知に関する質問紙調査を行った。これらのデータについて,研究開発した分析法で描画分析し,特徴次元を抽出した。描画像は,スキャナーを用いて計算機画像として取り込み,フーリエ解析などの統計解析を実施した。フーリエ解析では,描画像を各ピクセルの濃度値(0:白から255:黒)を要素とする行列と見なして手法を適用し,特徴次元の抽出を行った。また,風景構成法についても,価値観やイメージを測定する新しい測定法を考案して,多次元尺度による解析や統計的画像解析の手法を用いた分析の方法を提案した。本研究では,データ解析を行うと同時に,昨年度に続き長野市内の精神病院において医師の協力を得て,統合失調症患者の樹木画の収集を行った。また本調査においては,心理テストとの相関分析や医師,臨床心理士,ソーシャルワーカーなどの専門家のケース分析による妥当性を検討している。本研究の結果の一部はは,国内の学会で発表されている。
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