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2013 年度 実績報告書

小学校算数を通した数感覚の拡張プロセス

研究課題

研究課題/領域番号 24653183
研究機関大阪府立大学

研究代表者

岡本 真彦  大阪府立大学, 人間社会学部, 教授 (40254445)

研究分担者 川添 充  大阪府立大学, 高等教育推進機構, 教授 (10295735)
小島 篤博  大阪府立大学, 現代システム科学域, 准教授 (80291607)
キーワード数感覚 / 分数
研究概要

目的:本研究の第1の目的は、小学生の整数感覚と小数感覚や分数感覚への連続性が見られるのかどうかについて検討することであり、第2の目的は、iPodを用いた実験ツールを開発し、数の大小判断課題への有効性を検討することであった。
対象者:大阪府内の公立小学校1校から、小学3年生 100名、4年生 122人、5年生 89人が本研究に参加した。
課題:本研究で用いた課題は、数の大小判断課題であり、2つの数をペアで提示し、どちらの数が大きいかを判断するように求めるものであった。整数、小数、分数の3つの異なる数概念が含まれていた。まず、3つの大小判断課題には、それぞれ8種類のペアが含まれていた。
結果と考察:大小判断課題での反応時間の分析からは、整数<小数<分数の順に反応時間が遅くなっており、どの学年でも分数の大小判断課題が最も困難であることが明らかになった。また、整数と小数の反応時間の相関分析からは、3年生 r=.64、4年生 r=.68、5年生 r=.67が得られ、どの学年においても整数の反応が速い子どもは小数の反応も速くなることが明らかになった。このことは、整数と小数では、利用している数表象が共通していることを示している。これに対して、整数と分数の反応時間の相関分析からは、3年生 r=.24、4年生 r=.30、5年生 r=.16が得られ、優位な相関が得られた3年生と4年生でも、整数と小数の相関係数よりもかなり低い値を示した。このことは、分数は整数とは異なった数表象を用いている可能性を示唆している。加えて、5年生では整数と分数の間の相関係数は.16とかなり低い値を示し、関連性が低いことが明らかになった。このことは、5年生で学習する異分母異分子の分数では、整数の数表象が利用されていないことを示唆していると思われる。
今後、小学生の分数の数表象がどのように獲得されるのかについての検討が必要であると考えられる。

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公開日: 2015-05-28  

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