平成27年度には「幼少期におけるゲーム経験とゲーム体験による疲労感との関係」という題名の紀要論文を書いた。大学学部生が初めてゲーム機で遊んだ時として思い出した年齢、その後のゲーム経験、ゲームに対する態度等を調査した。そして経験の違いが2Dゲームによる疲労感と3Dゲームによる疲労感等において生じるのかについて調べた。人生において初めてゲームで遊んだ平均年齢(6.5歳)より早期に初めてゲームで遊んだ者(早期ゲーム開始群)と、遅い時期に初めてゲームで遊んだという者(非早期ゲーム開始群)とに分けて、各結果を比較した。まず早期ゲーム開始群の方が、大学生になってからも若干頻繁にゲームをすることがあるようであったが有意差はなく、ゲームに対しての好悪判断でも両者に有意差はなかった。しかしゲームによる全体的疲労感においては早期ゲーム開始群の方が非早期ゲーム開始群よりは少ない傾向がうかがえた。また3Dゲーム経験あり群と3Dゲーム経験なし群とに分けて疲労感をみると、3Dゲーム経験あり群の方が3Dゲーム経験なし群よりも疲労感が全体的に生じにくい傾向がうかがえた。 追加して質問紙調査も行った。子どもの時期に初めてゲームをすることになった切っ掛けは、友達よりもむしろ親や兄弟の影響が強かった。特に早期ゲーム開始群の場合、家族の影響だという場合が多かった。また一番ゲームをよくしていた時期は10歳から14歳の間ということであった。約6割の調査協力者が3Dゲームの経験ありということであったが、3D画面のほうを好んで選択するという者は全体の約1割に満たなかった。これらの結果から、裸眼で3D映像を見ることのできる携帯型ゲーム機の3D映像視聴はあまり多用されていないことがわかったが、3D画面を好んで選択する少数の人々の詳しい実態や特性はわかっていないので、今後調べたい。また幼稚園での調査計画も具体的に進めている。
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