研究課題/領域番号 |
24653188
|
研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
堀 匡 東北大学, 高等教育開発推進センター, 助教 (70512565)
|
研究分担者 |
齋藤 未紀子 東北大学, 高等教育開発推進センター, 助手 (20622062)
佐藤 静香 東北大学, 高等教育開発推進センター, 助手 (30344641)
池田 忠義 東北大学, 高等教育開発推進センター, 准教授 (70333763)
吉武 清實 東北大学, 高等教育開発推進センター, 教授 (80111243)
|
キーワード | 東日本大震災 / 学生相談 / 大学コミュニティ支援 |
研究概要 |
本年度は,昨年度の研究(研究1~3)に続き、以下の研究4~6を実施した。 研究4:平成24年度に実施した大学コミュニティ支援活動に関して、支援活動の水準別(第一次支援:学生相談所来談者への支援、第二次支援:震災の影響を強く受けていると考えられる学生への支援、第三次支援:全学生・教職員への支援、スタッフ間相互支援:学生相談所スタッフ間の相互の支援)に活動内容をまとめ、今後の課題について検討した。その結果、震災から時間が経過する中で、個別支援の必要な対象者は減少し、震災発生後3年目以降は第二次支援や第三次支援の重要性が高まっていくと推察された。 研究5:震災発生から約3年の間に、震災に関係する主訴及び震災の影響がうかがわれる自発来談学生のケースを分析し、時間経過に伴う相談内容の変化や特徴、震災の中期的な影響について検討した。該当する48例について分析した結果、震災から時間が経過するほど、学生個人の回復度の差が大きくなり、抱える問題も複雑化、個別化していくことが明らかになった。また、震災の中期的な影響として、震災体験は、日常的な不安やストレスを底上げしうる可能性があることが示唆された。また、ネガティブなストレス体験に伴い震災時の体験や記憶が想起されやすくなることも、中期的な影響の一つとして挙げられた。 研究6:震災後3年間の支援活動についてまとめ、震災後初期~中期における学生相談機関の大学コミュニティ支援のあり方について検討した。その結果、震災直後は、急性反応を示す学生への対応と震災以前からの継続来談中の学生とのつながりを取り戻す活動が中心となることが明らかとなった。また、震災から1年以上が経過した時点では、長期的な影響を被りながらも潜在している学生へのアプローチが重要になることが示唆された。
|