研究課題/領域番号 |
24653193
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
松本 真理子 名古屋大学, 発達心理精神科学教育研究センター, 教授 (80229575)
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研究分担者 |
窪田 由紀 名古屋大学, 教育発達科学研究科, 教授 (00258576)
坪井 裕子 人間環境大学, 人間環境学部, 教授 (40421268)
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キーワード | 心の減災 / 心理教育プログラム / 小学校 / 自己効力感 / 災害対処効力感 / 自尊感情 |
研究概要 |
本研究の目的は次の2点にある。すなわち、1)学校現場における心の減災教育に関する現状と教員の意識を把握すること、2)児童生徒を対象とした心の減災能力育成と心の健康な発達促進を統合したモデルに沿って心の減災心理教育プログラムを開発し、効果測定による検討を行うこと、である。結果は以下の通りであった。 1)学校現場における心の減災教育に関する現状と教員の意識を把握:A県内の幼稚園,小学校,中学校,高等学校,特別支援学校の計1299校(小・中学校は県内90%以上の回収率)と教員1285名を対象とした質問紙調査の結果,学校での防災教育において心の減災心理教育を実践する学校は極めて少ないこと,教員は研修・知識習得や心理教育に対する強いニーズをもっていることなどが明らかになった。 2)心の減災心理教育プログラム開発と効果測定:通年3回型(ストレス対処法、認知修正、対人関係)心理教育プログラムの開発を行い、小学校5,6年生を対象とした試行授業および効果測定を実施した。計23学級を対象として授業実施し、授業前後に効果測定質問紙を実施した。同時に教員に対する質問紙も実施した。結果は、ストレス対処法としての10秒呼吸法プログラム授業通して,地震発生時の効力感のみでなく、一般的効力感や一般的自尊感情も上昇することが示された。 以上の結果より、災害に遭遇する前に心の減災に関する知識と対処スキルを獲得することで児童生徒の災害対処効力感を高め、被災時の心理的反応を軽減させるのみならず、その根底に自尊感情や対人関係スキル育成を置くことで、児童生徒の日常的なこころの健康増進に繋がることが示唆された。
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