研究課題/領域番号 |
24653203
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研究機関 | 近畿大学 |
研究代表者 |
奥野 洋子 近畿大学, 総合社会学部, 講師 (50304704)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 自己成長 / 対人援助職 / ストレス / バーンアウト |
研究実績の概要 |
当研究は、対人援助職における自己成長に関する実証的研究であり、促進する支援プログラムの開発を目指す基礎的研究である。看護・介護職、教員などの対人援助職は、対人援助行為や職務に伴うストレスが強くかかり、困難が多い仕事であるため、心身の不調、休職・離職の多さが問題となっている。しかしその一方、対人援助行為ではやりがい、充実感、対人援助職としての自己成長を実感できる物である。対人援助職としての自己成長は、対人援助行為を実施することによるポジティブな心的変化であり、自己成長を実感できることは対人援助職の離職予防、心身の健康の維持につながると考えられる。 2014年度は前年度に引き続き、看護職を対象に実施した面接調査についての分析を行った。看護職を対象に、看護での辛かった・困った体験やうれしかった・よかった体験、看護師になってからの価値観の変化、看護師としての成長したところ、などについてインタビューを実施した。分析結果より、看護での大変さ・困難さ、業務量の多さ、職場での人間関係のトラブルなどストレスが多く、看護上の失敗や傷つきなどのネガティブな体験も少なくない一方、仕事での達成感や充実感、ネガティブな体験からの立ち直る強さや得るものを感じていることがわかった。また、教員を対象に自己成長感・バーンアウトに関する調査研究を実施した。その結果、看護職だけでなく教員においても、ストレスへの耐性(ハーディネス)が強い人の方が、バーンアウトの傾向が弱く、自己成長感を強く感じていたことが明らかになった。これ以外に、介入研究の計画の再検討、支援プログラムの予備調査・分析も実施した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
2014年度より大学院が新設され、大学院の授業準備や実習科目の準備・打合せが予想以上に業務量が多く、研究に取り組む時間が十分に取れなかったため。
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今後の研究の推進方策 |
対人援助職の体験を自己内省し、他者に語ることによる、自己成長感への促進効果に関する介入研究を実施する。看護師を対象に協力者を募集する。自己内省して他者に語る介入手法は、内観療法を応用したプログラムを作成し、認知行動療法の手法を取り入れたプログラム、リラクセーションの手法を取り入れたプログラムを加えた3種類のプログラムの効果の違いを検討する。効果測定の指標として、自己成長感(PTGI-J)、バーンアウト、ストレッサーなどの質問紙尺度を用いる。 これらの研究を実施するにあたり、臨床心理学、健康心理学、精神医学、公衆衛生学などの専門家に、介入プログラムの内容への助言などを仰ぐことを考えている。
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次年度使用額が生じた理由 |
2014年度に実行できなかった介入研究実施にかかわる経費が次年度に繰り越しとなった。
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次年度使用額の使用計画 |
介入研究実施にかかわる物品と費用、研究補助と入力作業のアルバイト料などへの使用を予定している。
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