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2013 年度 実施状況報告書

乳児における視嗅覚統合過程の解明

研究課題

研究課題/領域番号 24653216
研究機関日本女子大学

研究代表者

金沢 創  日本女子大学, 人間社会学部, 教授 (80337691)

キーワード実験心理学
研究概要

本年度は、視覚と嗅覚について、おもちゃを用いた実験を5か月から8か月の乳児を対象に行った。具体的には、学習フェーズと実験フェーズを設定し、学習フェーズにおいて、ミルク、洗剤、アニス、という3種類の匂いを香料などを用いて用意し、この匂いの有無が、実験フェーズの遊びにどう影響するかを、おもちゃに対する接触の頻度や回数などで検討した。3種類の匂いは、それぞれ、familiarな食物(ミルク)、familiarな非食物(洗剤)、unfamiliarなもの(アニス)、という3種類であった。実験の結果、女児において、特にfamiliarな匂いの条件で、有意な高い遊びの頻度が観察された。この結果は、匂いに対する性差が、発達初期から存在していることを示唆している。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

全体の計画では、視嗅覚統合の検討を行う予定であるが、実験データ自体は順調に取得できている。当初のように、自宅に匂いつきのおもちゃを持って帰ってもらうアプローチではなく、実験室において、もっと短い時間での学習により、直後のおもちゃへのアプローチを観察するほうが、効果をはっきりとみることができることがわかった。

今後の研究の推進方策

今後は、当初のように、自宅に匂いつきのおもちゃを持って帰ってもらうアプローチではなく、実験室において、もっと短い時間での学習により、直後のおもちゃへのアプローチを観察するほうが、効果をはっきりとみることができることがわかったことをふまえ、実験室内での視覚と嗅覚の連合を乳児を対象に実験していくことにしたい。具体的には、顔認知に対する、ミルクや洗剤などの嗅覚情報の影響を検討していく予定である。

次年度の研究費の使用計画

本計画では、嗅覚刺激という特殊なものを用いているため、香料などの刺激の確保に比較的時間がかかる点がまず大きい。香料は香料会社との連携が必要なため、しばしば会社再度の社内的な事情に左右される。この点が遅れの主な原因である。また、実験を実験室を離れて自宅にて行ってもらおうとする計画も難しい面があった。
今後、嗅覚刺激を用いて、視覚と嗅覚の乳児における連合学習を、主に実験室での実験に限定することで行っていきたい。こうすることで、刺激のコントールが容易になるばかりでなく、実験場面での嗅覚の効果も、むしろ出やすくなることが、昨年度の予備的なさまざまな実験によりわかってきた。従って実験パラダイムも、学習フェーズと実験フェーズをそれぞれ短くして接近させることで、視覚嗅覚の連合学習のを検討していく予定である。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2013

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件)

  • [雑誌論文] Eye contrast polarity is critical for face recognition by infants2013

    • 著者名/発表者名
      Otsuka, Y., Motoyoshi, I., Hill, H., Kobayashi, M., Kanazawa, S., & Yamaguchi M.K.
    • 雑誌名

      Journal of Experimental Child Psychology

      巻: 115 ページ: 598-606

    • DOI

      10.1016/j.jecp.2013.01.006.

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Infants see the illusory motion in the static figure2013

    • 著者名/発表者名
      Kanazawa, S., Kitaoka, A. & Yamaguchi, M. K.
    • 雑誌名

      Perception

      巻: 42(8) ページ: 828-834

    • DOI

      10.1068/p7460

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Contrast reversal of the eyes impairs infants’ face processing: A near-infrared spectroscopic study2013

    • 著者名/発表者名
      Ichikawa H, Otsuka Y, Kanazawa S, Yamaguchi MK, Kakigi R
    • 雑誌名

      Neuropsychologia

      巻: 51(13) ページ: 2556-2561

    • DOI

      10.1016/j.neuropsychologia.2013.08.020

    • 査読あり

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公開日: 2015-05-28  

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