騒音測定で用いられる周波数重み付け特性Aは,等ラウドネスレベル曲線で表される聴覚特性に基づいている。等価騒音レベル(LAeq)は知覚されるラウドネス(音の大きさ)との対応が良いことが知られているが,それは若年健聴者が聴取した場合に限られる。本研究では,若齢者及び60歳以上の高齢者を対象に,さまざまな音の大きさ知覚に関する聴取実験を行った。解析の結果,高齢者の聴覚特性に合わせて重み付けした音圧レベルの方が,LAeq値よりも,知覚されるラウドネスに良く対応することが示された。その結果に基づいて,従来の周波数重み付け特性Aよりも精度良く評価できる,高齢者対応の騒音評価方法を提案した。
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