研究課題/領域番号 |
24653221
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研究機関 | 弘前大学 |
研究代表者 |
野坂 大喜 弘前大学, 保健学研究科, 講師 (80302040)
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キーワード | 協同学習 / e-Learning / Active Learning |
研究概要 |
平成25年度研究では臨床検査学生教育におけるActive Learningの確立を目的として、ジグソー学習法とテスト=テイキング=チーム法を用いて協同学習を実施し、その学習効果について検証を行った。協同学習実施による学習効果は、臨床検査技師国家試験模擬試験と臨床検査技師国家試験によって学習到達度を評価した。 協同学習チーム構成員による協同学習実施による学習効果評価は、3ヶ月間の協同学習または自己学習実施後に臨床検査技師国家試験模擬試験と臨床検査技師国家試験の合計8回の試験を1~2ヶ月間隔で実施し、得点によって学習到達度評価を行った。自己学習グループ全体34名(Group A)、自己学習グループ中得点上位者6名(Group B)、協同学習グループ6名(Group C)の3群間を比較し、Mann-WhitneyのU検定により統計学的有意差検定を行った。その結果ジグソー法とテスト=テイキング=チーム法による協同学習では、Active Learningによる継続的な学習効果が早期から認められ、有意に学習到達度が向上していた。このことから協同学習は臨床検査学生の知識量の底上げと学生間での教授能力の向上に有用であると考えられた。 一方、教員が関与しない自主的協同学習実施のため、タブレット端末利用を想定したe-PortfolioシステムMaharaとe-LearningシステムCEASを用いた協同学習支援システムをプロトタイプシステムとして構築しテスト運用を開始した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
協同学習による教育プログラムが有効とのデータが取得され、プロトタイプシステムの構築までに至っていることからほぼ当初の計画に沿って進展していると考えられる。 また研究成果は論文投稿を行うとともに、ホームページに掲載することで広く社会に対しての還元を行っており、当初計画を達成していると考えられる。
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今後の研究の推進方策 |
平成26年度は、e-ラーニング併用型専用教育プログラムによるCollaborative Learningの評価を実施する。教員の関与を可能な限り排除したHybrid Collaborative Learningによる学習効果を評価するとともに、共同作業認識尺度・自己教育力・目標達成度について質問調査票を作成し因子分析を実施する。 本システムはプロトタイプであることから、システムの改善点をユーザー及び教員からアンケート調査等により明らかにし、システムの改良作業および運用改善にも着手する。 課題としてはe-ラーニング化により対面式とは異なったグループ化を検討することが必要であり、対面式教育との違いについても明らかにする予定である。 これらの研究成果について過去2年間の研究成果を踏まえ、国内の医学教育関連学会で成果を公開すると共に,国際学会においても成果を公表する。
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次年度の研究費の使用計画 |
国際学会発表を予定していたが、本研究成果発表に合致する国際学会の開催が平成26年度であったため、抄録登録作業段階にあり、支出が遅れている。 またシステム開発に係る補助員経費として人件費を見込んでいたが、システム開発に携わることが可能な学生確保が困難であったため、人件費の支出ができなかったため。 既に国際学会への抄録登録を行っていることから、該当経費については使用見込みとなっている。 また次年度のシステム改良に係る雇用見込みが立ったことから、該当経費の支出計画を立案済みである。
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