研究課題/領域番号 |
24653226
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研究種目 |
挑戦的萌芽研究
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
近田 政博 名古屋大学, 高等教育研究センター, 准教授 (80281062)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 成人教育 / 教授法 / 研究指導 / アメリカ / イギリス |
研究概要 |
本研究は社会人大学院生の学習特性・環境に適した教授法と研究指導方法の開発を行うことを目的とする。平成24年度は成人教育についての先行研究を整理し、本務校である名古屋大学の社会人大学院生に対してアンケート調査およびインタビュー調査を実施した。その成果を高等教育開発フォーラム第2回大会(開催校:帝京大学)にて発表した。発表の題目は「社会人学生はどのような教授法や研究指導を求めているのか」である。この発表では、社会人学生に適した教授法と研究指導方法とはどのようなものか、成人教育学(アンドラゴジー)の知見をどのようにしたら高等教育の文脈に援用できるかについて問題提起した。前半で一般論と個別論を扱い、後半でケーススタディと意見交換を行った。同発表の結論は次の通りである。社会人学生がストレスを感じているのは、個別の授業よりもカリキュラムや事務体制などの「仕組み」であること。研究内容よりも方法論の習得に悩みがちであること、大学院で磨いているのは職場での実務能力ではなく、むしろメタ思考能力であること、などである。上記の結論をふまえて、同発表では次のような提案を行った。①社会人学生に対する授業や研究指導の経験やノウハウを教員間で共有すること、②大学組織が教務や学位に関する「暗黙のルール」を言語化して社会人学生に明示すること、③カリキュラムや教務事務の仕組みについて、大学が組織的に見直す機会を設けること、④研究方法論についての授業を開講し、継続的に改訂すること
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
職場である名古屋大学高等教育研究センターのスタッフの一人が産休・育休を取得したことにより、代替教員を採用するまでの間、同センターの管理運営業務負担が増大した。このため、予定していた外国調査(イギリス)に行くことができなかった。
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今後の研究の推進方策 |
平成24年度に実施できなかった海外訪問調査(ロンドン大学他)を実施し、成人学生の学習特性に応じた教授法や研究指導方法についての具体的な知見を得たい。
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次年度の研究費の使用計画 |
海外旅費はロンドン大学経営大学院および同教育大学院への訪問調査に充てる。国内旅費は慶應義塾大学、一橋大学等への訪問調査に充てる。
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